サンフランシスコ発--Novellは今秋、同社が買収した2社のLinux専門ベンダーの技術を統合し、法人用デスクトップコンピュータ向けに新しいLinuxをリリースすることを計画している。
Linuxに力を入れるNovellは、昨年にはXimianを、そして今年はSuSE Linuxを買収していたが、これまで同社が両社の製品同士を統合したり、自社製品と統合することはなかった。だが、当地で先週開催されたLinuxWorld Conference & Expoでデモされた製品で証明されたように、そうした状態も変わりつつある。
LinuxWorldで展示されたのは、「Novell Linux Desktop」と呼ばれるプロトタイプだが、ただし同社広報担当のBruce Lowryは米国時間6日、最終的な製品名はこれと異なる可能性もあると語った。
同製品の基盤となるのは、これまで「SuSE Linux Desktop」と呼ばれていた法人顧客向けのOSで、「SuSE Linux Enterprise Server」のソフトウェア認定が付く変化の遅いバージョン。この新しいデスクトップソフトウェアには、GNOMEユーザーインタフェースのXimian Desktopバージョンとソフトウェアスイートが同梱され、Novellの電子メール、カレンダー、コンタクト一覧、およびインスタントメッセージングの各GroupWiseサーバソフトウェアと円滑に連動するようカスタマイズされている。
Novellのシニアプロダクトマネジャー、Christine McLellanは、同製品は今秋に出荷が予定されていると語った。
Novellは、3月に主催したBrainShareカンファレンスで、デスクトップLinux関連の計画売り込んだが、その際にLinuxは12カ月以内にPCで大々的に普及すると予測していた。実際、IDCが実施した2003年のマーケットシェア調査では、パーソナルコンピュータ向けとしてLinuxの販売数が初めてMac OSのそれを上回っている。
Robert Francis Groupのアナリスト、Stacey Quandtは、「NovellのDesktopは企業向けとして重要な選択肢の1つだ」と話している。同氏は、Red Hatサーバの顧客はデスクトップ版も同一ベンダーで揃えた方が良いかもしれないが、SuSEが新しい2.6 Linuxカーネルを早期採用しているので、顧客の気持ちは揺れるかもしれない、と話している。
しかし、いくつかの課題も残されている。Microsoftは依然としてこの市場を支配しており、2006年登場予定の次期Windows「Longhorn」で、その地位を固めたいと考えている。また、Linux販売最大手のRed Hatも、Novellほど意欲的ではないが、自社開発のLinuxデスクトップソフトを5月に投入している。
NovellのデスクトップソフトウェアはGNOMEユーザーインタフェースとソフトウェアを採用しているが、同時にライバルであるKDEのものも採用しているとMcLellanは語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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