Microsoftがオペレーティングシステム(OS)へのウェブブラウザ統合に取り組むなか、オープンソースのライバルらは力を合わせ、Microsoftの機先を制するという提案について検討を進めている。
先週、MozillaとGnomeという2つのオープンソース団体の代表者が会合を開き、MicrosoftがWindows OSの次期大型改訂版となるLonghornをリリースしても、それぞれのウェブおよびデスクトップ製品が生き残れるようにするために、一緒にどんなことができるかを協議した。
Gnomeウェブサイトに掲載されたこの会合の議事録によると、ある参加者はMicrosoftが現在「ウェブおよびネイティブのデスクトップレンダリング技術を1つのチームで開発している」と指摘し、「これに対抗するため、GnomeとMozillaは提携する必要がある」と述べたという。
Mozillaはオープンソースのブラウザ開発プロジェクトであり、一方のGnome(「GNU Network Object Model Environment」の略称)は、LinuxなどのUnix系システムで利用できるオープンソースのユーザーインターフェースだ。
4月21日に開かれたこの会合には、JavaScript発明者のBrendan Eichや、Ximian共同設立者Nat Friedmanといった、MozillaやGnomeの主要な開発者らが出席した。この会合はまさに、Longhornに対するオープンソースコミュニティの恐怖の表れといえる。MicrosoftはLonghornで、ウェブの閲覧とデスクトップコンピューティングを全く新しいレベルで融合させると公言している。
Microsoftは昨年、Internet Explorerブラウザのスタンドアロン版を廃止し、Longhornに開発エネルギーを集中させると表明していた。
Longhornが発売になれば、スタンドアロンのブラウザやデスクトップアプリケーションは廃品扱いされてしまうのではないかと、競合製品の開発者らは気を揉んでいる。
MozillaやGnomeの開発者に時間が味方する可能性もある。Microsoftは、今年は現行OSの大型セキュリティアップデートにあたるWindows XP Service Pack 2(SP2)のリリースに専念するとし、Longhornのリリースは2006年前半以降になることを、今月になって明らかにした。
MicrosoftはLonghornのリリースを度々延期しているが、同社はExtensible Application Markup Language(XAML)やグラフィック・ユーザーインターフェース技術Avalon、.Net Webサービスフレームワークなど、重要なコンポーネントや関連技術を既に開発している。
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