NECはIAサーバのラインアップを強化する。Itanium2を搭載したメインフレームのACOS-4シリーズを今秋に発表するほか、Intel エクステンデッド・メモリ64テクノロジ(EM64T)対応のXeon 3.40GHzを2基搭載した汎用IAサーバExpress5800シリーズを8月2日から販売する。7月8日に発表したエンタープライズサーバのNX7700iシリーズと合わせ、メインフレームからローエンドまでIAサーバで揃えたことになる。
ACOS-4シリーズは、OSとしてACOS-4、HP-UX、Windows、Linuxの4種が搭載可能。8ウェイ以上であればハードウェアのリソースを分割し、異なるOSを混在させることができる。これにより、現行のアプリケーションとオープン系アプリケーションが1つのプラットフォーム上で使えるようになる。また、NECのミドルウェア製品群VALUMOウェアを使い、必要に応じてサーバリソースを振り分けることが可能という。
NEC代表取締役副社長の川村敏郎氏 |
NEC代表取締役副社長の川村敏郎氏は、社内に分散する異種OS環境を統合することで管理コストが削減でき、ハードウェアの最適化が図れると説明。「NECの社内でも6000台ほどのサーバが分散しており、プラットフォームの維持に年間1000億円程度の費用がかかっている。これを最適化することで、年間200〜300億円の費用が削減できるだろう」(川村氏)と効果をアピールした。
Express5800シリーズはインテルが同日発表したデュアル・プロセッサ・システム向けチップセットE7520またはE7320を新たに搭載した。これにより、4Gバイト以上のメモリ空間が扱えるため反応時間が短縮されるという。
NECは国内IAサーバ市場で長年首位を持っていたが、2004年第1四半期にはデルにその座を奪われた。ただし第2四半期には24.2%となり、首位を奪還している(ガートナー データクエストの調査による)。
今回の新製品発表に合わせ、NECではサーバやネットワーク等の最適化を図る「プラットフォーム最適化ソリューション」を体系化した。ユーザーがすでに導入しているシステムの分析から課題解決、サポートまでを一括して行う。新たに110名の専任部隊を設置し、全国展開を図るとしている。
川村氏によると、現在NECのハードウェアプラットフォーム事業の売上は約5300億円、営業利益は約100億円で、営業利益率は2%程度という。今回の新製品などにより、「2006年までには営業利益率を5%に上げたい」と川村氏は話す。これまでHewlett-PackardからOEMで提供されていたサーバを自社開発することで原価率の改善を図り、最適化ソリューションによって売上を拡大することで、この数値は達成できるとの考えを示した。
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