Hewlett-Packard(HP)は、従来の携帯電話ネットワークとWi-Fiネットワークを切り替えて使える、初めてのiPaqを発表する。
この「h6315」は、HPがT-Mobileと共同開発したもので、従来の携帯電話ネットワーク上で動作するが、データ転送速度の速いWi-Fi接続が利用可能な場合には、自動に接続を切り替える機能を持つ。また同端末には、カメラや取り外し可能なキーボードが付属するほか、GSMネットワークを利用して電話をかけることも可能だ。
「これは究極の携帯端末だ」と、T-Mobile USAのビジネスサービスマーケティング担当バイスプレジデントScott Ballantyneと述べ、「MP3フォーマットの音楽の再生や保存も可能だ。写真も撮れる」と付け加えている。
同端末で利用ネットワークの切り替えができるように、T-Mobileでは自社のネットワークを調整し、2つめのIP接続情報を端末側で保存できるようにした。また、MicrosoftもWindows Mobileオペレーティングシステム(OS)に変更を加えなくてはならなかった。
このh6315は、Wi-FiやGPRSネットワークへ接続できるだけでなく、短距離用のBluetooth無線接続を利用して、脱着可能な耳掛け式レシーバーやその他のアクセサリーと通信する機能をもつ。写真撮影機能を必要としないビジネスユーザーもいるため、同端末はカメラ付きとカメラ無しの2つのバージョンを出荷するとHPは述べている。
HPは、北米ではこの端末をT-Mobileと2社で独占的に販売するが、ヨーロッパやアジアでは、他のキャリアが提供するネットワークを利用できるバージョンを販売する予定だ。
同社は、この端末を初年度に全世界で数十万台販売する計画だという。T-Mobile版の価格は499ドルだが、1年間のサービス利用が前提となる。同端末は、米国時間8月26日から発売される見込みで、HPやT-Mobileをはじめ、両社の製品を取り扱う代理店で入手可能になる。
T-Mobileは、自社で携帯ネットワークを運営していることに加え、世界でも最大規模の商用Wi-Fiホットスポットネットワークを保有していることから、同社がこうしたWi-Fi機器の開発に携わるのは理にかなったことといえる。T-Mobileと、同じく日本で携帯電話ネットワークやWi-Fiホットスポットを運営するNTT DoCoMoは、こうした端末の開発に熱心に取り組んだきた。しかし一方で、他のキャリアはこうした端末をサポートすることに熱心とはいえない。
HPでは、この無線端末のほかに、今回3つの新製品を発表する。そのうちの1つはビジネス向けのハイエンドモデルで、他の2つはよりコンシューマ向けのものとなっている。
iPaq 4700は、HPのProtectToolsというセキュリティソフトウェアを搭載した4インチのVGA画面付きモデルで、624MHzのインテル製プロセッサを採用。この端末にはタッチパッド式のコントローラが付いており、これを使ってカーソルを動かすようになっており、他のPocket PCベースの携帯端末が多く採用してきたスタイラスで操作するものとは大きく仕組みが異なる。この端末にはWi-FiおよびBluetoothを使った無線接続機能もついている。
一方、コンシューマ向けのrx3715というモデルは、家庭のネットワーク内で、PCに保存した音楽その他のメディアファイルを移動するのに、この端末をコントローラとして利用できるようになっている。この製品の価格は499ドルで、 Wi-FiおよびBluetoothによる接続機能、1.2メガピクセルのカメラ機能、ユニバーサル・リモート機能、そして印刷や写真画像共有用の新しいソフトウェアが付属する。この端末は今年秋に登場することになりそうだ。
同じく秋に発売予定のrz1700シリーズは279ドル〜となっており、HPのImage Zoneというソフトウェアを使ってスライドショーや写真の閲覧が可能だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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