ロボット掃除機「Roomba」には新たな使命が与えられた。その使命とは「探して、破壊せよ」というものだ。
iRobot(本社:マサチューセッツ州バーリントン)は12日(米国時間)、新バージョンのロボット掃除機を発表した。同社によると、この新バージョンはバッテリーの駆動時間が長くなり、全体的な性能やゴミを検知する能力も向上しているという。
このロボットは、カーペットや床の上の特に汚い部分を通り過ぎると、振動検知器が作動し、センサーがゴミの在処を探し始める仕組みになっている。このナビゲーションシステムによって、ロボットは旋回して振動異常のある領域を全てきれいにし、その後通常のコースに戻る。
ロボット工学は、ここ20年ほどの熱烈な期待に見合うレベルにはまだ達していない。それでも技術の進歩と、ロボットの活用方法についての人々の考え方が変化したおかげで、市場は成長し始めている。
現在では、多くの企業が、ヒト型ロボットの開発はあきらめ、代わって危険な場所--下水管や原子力発電所など--に入れるモバイルユニットや、退屈な繰り返し作業を行なうロボットの開発に取り組んでいる。
iRobotはマサチューセッツ工科大学の研究者らが立ち上げた企業で、モバイルユニットと繰り返し作業用ロボットの両方を開発している。同社はこれまでに、アフガニスタンで使用されている地雷除去ロボット「PackBot」など、軍用の偵察ロボットを複数開発してきた。
軍用ロボットとは正反対に位置するRoombaは、リビングルームを掃除するロボットで、悪い天才科学者がこれを使って地球を乗っ取ることはおそらく不可能だろう。それでも、Roombaには軍用ロボットと共通する部分がある。Roombaの、階段から落ちたり、障害物にぶつかったりするのを避けるナビゲーションアルゴリズムやセンサー技術は、政府向け製品開発から生まれたものだ、と同社の広報担当者は述べている。
「これはゴミ取り用の地雷除去ロボット」(同社広報担当者)
同社によると、Roombaの最初のモデルは199ドルで、これまでに50万台以上販売されたという。
新バージョンのRoomba Discoveryは、Dirt Ditect技術と充電用ホームベース、そして従来モデルの3倍の量のゴミを貯められる袋つきで249ドルだ。新しくなったバッテリーは3時間の充電で2時間利用できる。また新しいRoombaでは設計が変更され、堅い木の床からカーペットに移動しやすいようになっている。
さらに「Roomba Red」という簡易版もあり、こちらの値段は149ドルとなっている。
これらの掃除機は現在iRobotのウェブサイトから入手可能で、今秋からはTargetや Bed Bath & Beyond、Best Buy、Macy's、Amazon.comの各店舗でも販売される予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」