ベンチャー企業のジャパンロボテック(河野孝治社長)と九十九電機(鈴木淳一社長)は6月10日、産学官で共同開発したオリジナルロボット学習教材「ロボデザイナー」を7月上旬に発売すると発表した。
ジャパンロボテックの直販や教材販売会社を通じて教育機関に広めていくほか、秋葉原電気街にある九十九電機のロボット専門店「ツクモロボット王国」での店頭で一般消費者に拡販。中国や韓国、タイなど各国の科学技術教育推進組織を通じてアジア地域にも浸透させていく考え。
「ロボデザイナー」は、福岡教育大学と埼玉大学が製品開発、東京都立高専と大阪府立大学、早稲田大学理工学部などがカリキュラム開発で協力した。福岡市が産学研究開発サポート事業として製品化したもの。
特徴は、ロボット構成モジュール間の入出力信号プロトコルを標準化することで、システム拡張が容易な基本設計を採用。「ハードウェア設計支援システム搭載多目的回路基板」と呼ばれるシステムにより、一度作成したロボットをほかの機能をもたせたロボットに作成変更が可能で、簡単なロボットから高機能なロボットまでを部品の追加で作成できる。ロボットを動作させるためのGUI(グラフィックユーザーインターフェイス)言語やC/C++言語をプログラミングする環境は、ソフトウェアの「ティコラ」で実現している。
対象ユーザーは、中学校を始め、普通教育の高校や高専、大学、専門学校の学生、自作でロボットを作成したいという一般ユーザーなど。販売は、ロボットを作成するための部品とプログラミングが可能なソフトウェア「ティコラ」をセットにした「RDS-X01」(9975円)、ソフトウェアなど電子ファイルのみの「RDS-X02」(6300)円を用意した。
ジャパンロボテックの河野社長は、「今年12月までで1億円の売上高、来年には3億円を見込んでいる。06年には、10億円規模を目指す」と自信を見せた。
また、九十九電機の鈴木社長は、「秋葉原電気街は以前、現在活躍しているメーカーなどの開発者が若い頃に集まった場所。今も、その傾向は続いており、ロボットを自作できるといった製品が登場することで、さらに開発者が集積する街へと発展していくだろう」と期待を寄せた。
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