Adobe Systemsは米国時間8日、米証券取引所委員会(SEC)に提出した書類のなかで、同社の「Acrobat」に特許侵害の疑いがあるとして訴えられたことを明らかにした。
Adobeが SEC に提出した4半期報告書によると、同社は6月2日、Information Technology Innovationからコロラド州の連邦地裁で提訴されたという。この訴えのなかでInformation Technology Innovationは、AdobeのAcrobat製品が自社の保有する特許を侵害したとしている。この特許は、もともとコロラド州のMarketScapeという企業に対し、「ネットワークから情報を取り出す手法」に関して認められたもの。
1999年に認められた米国特許5,892,908は、ハイパーリンクを用いてネットワーク越しにファイルを取り出す手法を対象としている。
Adobeは提出書類の中で、この訴訟には実体がないと述べており、まだ訴訟には応じていないという。Adobeの広報担当は、金額が特定されていない賠償金額を求めるこの訴訟に関して、コメントを控えている。Information Technology Innovation側の弁護士も、すぐにはコメントに応じなかった。
AdobeのPDF(Portable Document Format)技術をベースとしたAcrobat製品群は、企業顧客の獲得を狙ったAdobeの新しい事業戦略の土台となるものだ。
8日に提出された書類には、別の訴訟に関する新たな詳細情報も盛り込まれていた。それによると、先々週ロンドンの調停者は、Adobeがフォント関連技術でAgfa Monotypeと結んでいる契約はいまでも有効だが、ただしAdobeはこの契約のいくつかの条項を侵害しているとの裁定を下したという。この裁定で、持ち上がっていた3つの主張のうちの1つはAgfa側に好意的なものとなっており、後に賠償金額が発表されるという。
米国におけるAgfa、およびAgfaの子会社であるInternational Typefaceとの訴訟は、AdobeがAgfaのフォント利用に関して1990年代に結んだライセンスについて、Digital Millennium Copyright Actにより無効になったとの立場をAgfa側が崩していないことから、まだ未解決のままだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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