Adobe Systemsは米国時間18日、第2四半期(6月4日締め)の決算を発表した。事前の予測通り、利益、売上高とも前四半期と比べて減少している。同社は現在、主力製品のリリース時期の狭間にあたり、業績がしばらく振るわなくなるのではないかとの懸念が広まっている。
同社の発表によると、第2四半期における純利益は1億940万ドル(1株当たり44セント)で、前年同期の純利益6420万ドル(1株当たり27セント)からは増加しているが、第1四半期の1億2300万ドル(1株当たり50セント)よりは少なくなっている。
また、売上は、前年同期が3億2010万ドル、第1四半期が4億2330万ドルだったの対し、第2四半期は4億1010万ドルだった。
ワールドワイドの製品担当エグゼクティブバイスプレジデントShantanu Narayenは、ほとんどの製品カテゴリにおいて毎年成長がみられることが同社業績の実態を示していると述べ、四半期毎の業績は重視していないという姿勢を示した。
Narayenは四半期毎の業績が不安定であることについて、「われわれは長期的な成長を重視しており、この企業戦略を変えるつもりはない」と述べた。
この長期的な企業戦略には、電子書類の配布用途で既に広く普及しているPDFを、ビジネスデータ交換用の汎用フォーマットとして定着させようとする広範な取り組みも含まれる。同社は、この取り組みを通して、PDF関連のサーバ製品や他の企業向け製品の品揃えを拡大している。
Narayenは、企業向けの取り組みについて、連続成長が見込めるだけでなく、四半期毎の業績の変動をならしたり、新たなセールスチャネルの開拓が可能になるとしており、特にシステムインテグレータや補完ソフトのメーカーによる間接的な販売に期待できるという。
企業向けの以外の取り組みに関しては、Adobeは消費者の興味がデジタル写真や映像に移っていることに目を付けている、と同氏はいう。同社には、イメージ編集アプリケーションの愛好家向けバージョン「Photoshop Album」が消費者に受け入れられた確たる実績があり、ビデオ編集パッケージの「Premiere」でも同様の結果が得られることを期待している。
今回の発表によると、同社は次の第3四半期でも業績が落ち込むと予測しており、同期の売上は3億6000万ドル〜3億8000万ドル、1株当たりの利益は31セント〜36セントになると見込んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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