市場調査会社Gartnerが新たに発表したレポートの中で、今年の半導体業界は設備投資額が増大する傾向にあるが、この傾向はいつまでも続かないだろう、と予測する。
Gartnerでは、半導体関連の設備投資額が今年、全世界合計で前年比51%増の448億ドルに達するものと予測する。また、半導体業界内の資本設備支出額は今年、全世界で前年比64%増の373億ドルに達する予想だ。
2004年の成長率は、2003年を上回ることになりそうだ。昨年は、半導体関連の設備投資がわずか8%増、資本設備全体の支出は10%増だった。
Gartnerの半導体・設計研究担当バイスプレジデントKlaus Rinnenは声明の中で、「2004年に新しい機器の売上が急増した原因は、需要が見えていることと、(半導体製造の)処理能力が限界に近づいていることにある」と語った。
Gartnerでは、ウエハ製造機器/パッケージ・アセンブリマシン/自動テスト機器など業界内の特定分野では、支出が今年63%以上増加する見込だという。
ウエハ製造工場では、第2四半期末には設備の製造能力のうち、94%を使い込んでいる状況だとGartnerは述べる。
「業界では今、需要に応え続けるため、自社の製造能力を引き上げる必要がある。業界は、ようやく危機感を持ってニーズへの対応を開始した」(Rinnen)
しかしRinnenは、支出の増大傾向が長くは続かないとも指摘する。
「需要と生産能力の歩調が合ってきたことで、機器の発注ペースは減速し始めている。業界では、切望された利益を最大限に確保すべく、需要量と供給量を出来るだけ近づけようとしている」(Rinnen)
Gartnerの予測では、半導体関連の設備投資は2005年に13%増加した後、2006年には15%、2007年には17%減少する、という。Gartnerでは、2008年には12%成長し、市場が回復すると見ている。
資本設備の支出全体でも同じ傾向が見られる。Gartnerの予想では、資本設備支出は2005年に15%拡大するが、2006年には18%、2007年には21%縮小するという。また、2008年には成長が回復し、支出は17%増加する見込みだ。
半導体製造機器業界と半導体業界の景気には周期がある。半導体に対する需要が高まるとメーカーがその製造装置を購入する。しかし、需要が満たされると工場などの設備が余剰になってしまう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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