金融アナリストらによると、このところ業績が芳しくないPeopleSoftの問題は、Oracleによる買収騒動だけが原因ではないという。
PeopleSoftは米国時間7日、先週終了した第2四半期の業績について、目標値を約3分の1下回るという予測を発表した。同社は、Oracleによる同社への敵対的買収に関連した問題を、主な原因として挙げている。
「PeopleSoftはOracleだけに責任の矛先を向けているが、私が見たところ、PeopleSoft社内でも業務の執行に関する問題を抱えていると思う」と、Pacific Growth Equitiesのアナリスト、Patrick Masonは述べている。
PeopleSoftは現在、特殊要因を除いた1株当たり利益を13セント〜15セントと予想している。同社の以前の予測では、20セント〜22セントとなっていた。Reutersの予測によると、アナリストらの平均予測値は1株当たり21セントだったという。
PeopleSoftでは、対Oracle関連のコスト、減価償却、事業再編にかかる費用などの諸経費を1株当たり2セントと計算しており、これを織り込んだ場合、純利益は1株当たり5セントになると予想している。この数値は、4月時の予測値である1株当たり利益10セント〜12セントを下回るものだ。アナリストらは当初の予測値をベースに、これまで平均で1株当たり12セントの利益を予測していたが、PeopleSoftによる発表を受け、利益と売上高の予測値をいそいで下方修正した。7日には、J.P. Morgan ChaseのAdam Holtというアナリストが、第2四半期の売上予想値を6億7400万ドルから6億6000万ドルに、2004年度通期の売上を28億ドルから27億ドルに、それぞれ切り下げた。
PeopleSoftは、業績が予想値に達しないことについて、6月に始まって現在も継続中のOracleの独占禁止法訴訟のせいだとしている。この裁判で、もしOracleが勝訴すれば、Oracleは確実に77億ドルの敵対的買収提案を続行してくるだろう。同裁判の証言は先週で終わったが、法廷の評決が出るのは数週間先のことだ。
だが、証券アナリストらは、PeopleSoftの問題はそんなに単純なものではないと見ている。Oracleの訴訟はPeopleSoftにとってたしかに痛手となるが、同社は昨年ライバルのJ.D. Edwardsと合併して以来、事業運営で問題を抱えているという。さらに同社は、多くのサプライヤに影響を与えている企業ソフトウェア市場の不安定な回復とも格闘している。
「このような事態が起こるだろうと予想していた」とBernstein & Co.のアナリスト、Charles Di Bonaは語る。「(ウォール街の)予想はあまりにも高すぎた。われわれは、PoepleSoftがJ.D. Edwardsとの合併で実現できるとしていた効率性を生み出せないだろうと懸念していた」(Charles Di Bona)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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