オラクル:「友好的合併に向けてピープルソフトと協議重ねていた」

Alorie Gilbert(CNET News.com)2004年06月28日 18時26分

 OracleがPeopleSoftの敵対買収に乗り出す前、両社は1年間にわたり友好的な合併に向けた協議を何度も重ねていたことが明らかになった。トップ幹部らが直接会談をしたこともあるという。

 米連邦地裁で米国時間25日、OracleプレジデントSafra Catzが証言を行った。同氏はその中で、両社の合併に関する協議が、Oracle最高経営責任者(CEO)Larry EllisonとPeopleSoftCEOのCraig Conwayによる1対1の話し合いにまで発展していたことを明らかにした。両社は以前から合併に向けた交渉があったことは認めていたが、詳細は明らかにしていなかった。

 当初は、PeopleSoft幹部も合併には反対していなかったとCatzは指摘した。同氏を含むOracleの幹部数名は2002年6月、合併について話し合うため、PeopleSoftの最高財務責任者(CFO)Kevin Parkerに会ったと証言した。ConwayがLarryに対してアプリケーションビジネスの統合を提案し、その直後に両社の会合が実現したという。

 「SAPやSiebelに対抗するために、アプリケーションビジネスを統合し競争力を強化しようと話し合った」(Catz)

 さらに、Catzが出廷したその日にOracle側がある資料を提出した。その資料には、PeopleSoftを買収した場合、同社従業員約6000名を解雇するとの記述があった。

 Oracleは2003年7月に買収効果を分析した資料を作成し、余剰人員を削減すれば同社は年間約11億7000万ドルの支出を抑えることができると予測した。なお、Oracleが敵対買収に乗り出す数日前に発表されたPeopleSoftによるJ.D. Edwards買収(2003年秋に買収完了)もこの試算の前提に含まれている。

 従業員解雇は、77億ドル規模となる両社統合によりPeopleSoftの顧客離れが進んだ場合をベースにした「最悪のシナリオ」だとして、Catzはその分析結果を却下したという。

 米連邦地裁での審理は6月7日に始まった。まず米司法省が、OracleがPeopleSoftを買収した場合、同社に対抗できる企業が独SAPの1社になると主張した。引き続き先週からOracle側の陳述が始まり、同社は反撃を開始している。企業アプリケーションを提供する小規模プロバイダおよびアウトソース企業やMicrosoftにも、市場を維持できるだけの十分な競争力があるというのが、Oracleの言い分だ。Oracle側の陳述は今週も続き、歯に衣を着せずものを言うEllisonが登場するとみられる。審理は7月2日に終了する予定だ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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