Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmerは米国時間6日、全社員に宛てた電子メールの中で、Microsoft製品の最新バージョンには所有するだけの価値があることを、顧客にもっとうまく伝えていく必要がある、と述べた。
Ballmerは、主力製品をカスタマイズして顧客に提供することも、Microsoft製品をもっと実用的なものにする方法の1つだ、と述べた。同社は既に、Officeのバージョンを増やし、Windows Serverについては用途別の専門バージョン開発にも取り組んでいる。目下開発中のハイエンドコンピューティング向けバージョンはその一環だ。
Ballmerは、「旧バージョンのOfficeやWindowsで十分だとか、Microsoftはセキュリティ対策への取り組みが不十分だといった、多くの顧客に持たれているイメージを変える努力も必要だ」と書いている。この社内電子メールは、Microsoftが新会計年度の開始に合わせて毎年配信する恒例行事になっており、記載される内容は広範囲に及ぶ。Ballmerはさらに、社員の士気の問題、Linuxとの競争、Windowsの次期バージョンLonghorn完成までの長い道のりにについても言及した。
また同氏は、「Longhornで適切な機能を顧客に提供するためには、まだまだ克服すべき難問が残っている」と述べ、同社がLonghornのスケジュールを延期して、ほかの製品開発を優先させたことについて「Longhornを完全なものにするためには、十分な時間を確保する必要があった」と付け加えた。
「われわれはLonghornで大きな前進を遂げることになる。また、それまでの間にもTablet、デジタルメディア、Windows XP SP2におけるセキュリティ機能の革新、Officeの新機能の提供を通して、顧客を驚かせていく予定だ」(Ballmer)
Ballmerの言葉が、Longhornリリース前に全く新しいバージョンのOfficeをリリースする予定であることを意味しているのかは不明だ。このメールの後半には次期バージョンのOfficeであるOffice 12の文字が登場する。Microsoftはこれまで、Officeの新バージョンは新しいオペレーティングシステム(OS)上で動き、リリースはLonghornと同時期になる、としていた。同社の関係者は、Ballmer発言の詳細に関するコメントを控えている。
Ballmerは、PC市場には今も大きなチャンスがあるとし、現在、全世界で6億人とされるPCユーザー数が、新興市場の成長に牽引されて2010年には10億人に達するだろう、とも述べている。
また同氏は、同社が訴訟問題の多くが解決したとしきりに宣伝する一方で、社員に対しては市場における一層の営業努力を呼びかけた。
「われわれは、業界トップとしての責任を反映しながらも、手加減のない戦いを続けなければらない」と述べ、最新のサーバOSならどのような用途でもLinuxに対抗できる、と付け加えた。
「Windows Server 2003なら、今日のLinuxやUnix上で行われるあらゆる業務処理、さらにはメインフレームやハイパフォーマンスコンピューティングに対しても、低いコストと高い効率性、信頼性で対抗できる」(Ballmer)
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