Texas Instruments(TI)は、Qualcommとの直近の裁判で同社が勝訴したと報告している。TIは、知的所有権をめぐってQualcommと対立し、両社間で締結していたクロスライセンス契約の終結を裁判で争っていた。
携帯電話向けチップを製造する両社は、Code Division Multiple Access(CDMA)技術に関するQualcommの特許をTIに認めるという特許ライセンス契約を結んでおり、締結3年目を迎えている。TIはその見返りに、同社の複数のトランジスタ技術特許の利用をQualcommに認めている。
機密保持条項に違反してこの契約を開示した疑いがあるとしてQualcommがTIを提訴したことで一連の裁判が始まった。Qualcommは、TIが開示したとする機密事項の内容を明らかにしてはいない。一方、TIは、Qualcommが契約に違反して携帯電話端末メーカーに割引販売を行ったとして、Qualcommを提訴した。その後、これらの訴訟はデラウェア州でまとめて審理されることになった。
そして米国時間1日、間もなくデラウェア州衡平法裁判所が判決を下すことをTIの関係者が明らかにした。TI関係者によると、TIがライセンス契約の情報開示の条項に違反していないことを、デラウェアの裁判所が認めたという。両社は6月30日に同裁判の証言を終えていた。
TIの発表に対して、Qualcommは声明を発表している。そのなかでQualcommは、今回の訴訟で裁判所が契約(の継続)を支持しても、TIは商習慣をめぐって罰金を科される可能性があると述べている。また同声明のなかでQualcomm幹部は、裁判の内容に「満足」しており、裁判所は、QualcommでなくTIが契約に違反したことを認めているという、自社の見解を繰り返し主張した。
裁判所がTIが発表した通りの判決を下せば、この契約に含まれる製品の製造を停止する必要はなくなる、とTIは考えている。Qualcommは不当な情報開示を理由に契約解消を求めていた。
TIは、Qualcommが電話端末メーカーにディスカウント販売を申し出たとの自社の主張を裁判所が却下する予定であることを認めている。この裁判ではディスカウント販売を提案されたメーカーの名前が明らかになっていないが、世界有数のメーカーの多くが、CDMA携帯電話技術のライセンスをQualcommから受けている。
TIの関係者は、Qualcommが情報の開示を巡って同社に要求している罰金の金額についてコメントを控えている。だが関係者は、問題となっている行為の詳細は今月終わりに裁判所に提出する予定の資料の中で明らかになる、と話している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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