米Cisco Systems が4年の歳月と5億ドルの資金を費やして開発したハイエンドルータ、Carrier Routing System-1(CRS-1)を発表した。しかし、同社がこの製品で利益を出せるようになるまでには半年から1年ほどかかりそうだ。
この新型ルータは、膨大な量のインターネットトラフィックを扱う通信キャリアのネットワーク向けに設計されており、Ciscoが設計したルータとしては初めて、クラスタ化して1つのルータとして機能させることが可能だ。
「HFR」(Huge Fast Router)という開発コード名で呼ばれていたこの製品は、毎秒40Gビットの転送速度を持つ光インターフェースをサポートする初めてのルータでもある。およそ1年前から、同製品についての噂や憶測が飛び交っていた。
米国時間25日に行われたCRS-1の発表イベントには、Deutsch Telecom、Sprint、MCI、NTTコミュニケーションズの通信キャリア4社が参加した。 4社は、ここ数年、同ルータをCiscoと共同開発してきたと語った。CRS-1は、スイッチファブリックシャーシを利用してクラスタ化することにより、ルーティング容量を毎秒92テラビットまで引き上げられるという。(1ギガビット=10億ビット、1テラビット=1兆ビット)
上記4社はすでに同ルータの一部の試験を行ったが、年内の購入を示唆した企業はなかった。Ciscoによると、CRS-1は7月に発売される予定であるという。
通信キャリアが新しいコアルータを数カ月間かけてテストするのは珍しくないが、CRS-1の販売サイクルが延びるのは、Ciscoが同製品向けに新しいソフトを開発したためだ。2003年の夏から自社研究所でCRS-1と同ソフトのテストを実施してきたSprintは、23日からカリフォルニア州サンノゼの研究所で実際にCRS-1にトラフィックを流し始めた。同社は今後もさらにCRS-1のテストを続ける計画だという。
「年内はCRSのテストを続ける。2005年までかかる可能性もある」と語るのは、Sprintのネットワークサービス担当エグゼクティブバイスプレジデントKathy Walkerだ。「導入計画を検討するのはその後だ」(Walker)
では、Ciscoが投資金を回収するにはどのくらいの期間がかかるのか。この点に関しては、Ciscoの幹部も断言はできないという。
CiscoのCEO、John Chambersはイベント後に行われたインタビューの中で、「(同社が投資金を回収できるか否かは)今後のインターネットの成長次第だ」と述べ、さらに「インターネットがいかに早く成長するかにかかっている。年間成長率が100%という控えめな予測もあるが、日本を見てほしい。日本ではインターネットの年間成長率が400〜500%にも達している」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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