Googleは現在、圧倒的人気を誇る検索エンジンとなっている。だが、ある調査によると、多数のライバルとの競争がますます激しくなり、同社のトップの座も脅かされる可能性があるという。
市場調査会社のVividence(本社:カリフォルニア州サンマテオ)が米国時間の25日に公表した調査では、Googleを使って検索した結果が、他の検索サイトの結果とさほど変わらないことが明らかになった。加えて、検索業界トップの同サイトは現在もうまく顧客を集めてはいるが、同サイトに表示される広告をユーザーがクリックする頻度が他のサイトに比べて低いという。
Googleの関係者は、同社が新規株式公開に向けた静粛期間に入ったことを理由に、今回の調査結果に関するコメントを控えている。
Vividenceの調査担当者らは、データを収集するために、Google、Ask Jeeves、Lycos、MicrosoftのMSN、そしてYahooなど、複数の検索エンジンサイトを利用する2000人の個人を対象に、調査とモニタリングを実施した。その結果、現在もユーザーの間ではGoogleの人気が明らかに高いことが分かった。同検索エンジンのインタフェースが他に比べてすっきりとしていることが主な人気の理由だった。実際にVividenceは、「非常に好感度の高い使い勝手」だとするユーザーはGoogleが90%近い一方で、Yahooはわずか68%、Ask Jeevesは50%、Lycosは48%、MSNは41%だったと述べている。
だが同調査では、Googleの検索結果が、競合サイトで同じクエリを実行した場合とあまり変わらないことが明らかになった。同じトピックに対する各検索エンジンの情報提供精度を比較すると、その結果は非常に似通っていた。たとえば、Googleユーザーが25〜34才の人の主な死亡原因を検索すると、55%の確率で探していた情報が表示された。これに対し、ライバルサイトも52〜54%の成功率で拮抗していたとVividenceは説明している。
VividenceのCEO(最高経営責任者)Peter Watkinsは、「検索結果の精度があまり変わらないということは、逆にそれだけGoogleが上手にブランドを確立し、リピーターの獲得に成功していることを示している。だが、Googleのライバルがスタイルを真似ただけでGoogleから顧客を奪えるかどうかは疑問だ」と語った。
Googleと競合する検索サイトのなかには、すでに余分な機能や飾りを取り去ったバージョンを立ち上げているところもある。たとえば、Yahooでは、ポータル部分を削って簡素化した検索サイトも用意している。また、Amazon.comの検索エンジン「A9」でも、Google流のシンプルさを優先して他の多くの部分を取り去っている。
Googleにとって、ライバル各社による物真似以上に脅威なのは、同社サイトにおける広告のクリック率で他サイトと比べて低いことだ。広告は同社の主要な収入源だが、Vividenceが実施したテストでは、スポンサードリンクや広告がクリックされる頻度に関して、Googleは最下位だったという。
広告のクリック率が最も高かったのはAsk Jeevesで、2位以降はLycos、MSN、Yahoo、Googleの順となっている。なお、GoogleはAsk Jeevesに検索関連の広告リンクを提供している。Watkinsによると、Googleがライバルに遅れをとった理由の一部には、同社が検索結果のリンクと広告リンクとを厳しく区別しているのに対して、他のサイトでは両者を混在させて表示している点が考えられるという。
「Googleは、同社のイメージの一部を犠牲にしてでも、広告のクリック回数を上げるべきだろうか。答えはイエスだ」とWatkinsは語り、「同社は20億ドル以上も資金を集める株式公開を間近に控えているような会社なのだから、競合他社がそのフォーマットを真似してくると考えなければならないだろう。そして、もしそうした競争相手のほうがたくさんの広告を売れるとなったら、将来について心配せずにはいられなくなる」とその理由を説明した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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