主にエンタープライズ市場をターゲットとする同製品は、「管理性に優れている点がこれまでのデスクトップ製品とは違うところ」と末次氏。デスクトップの資産管理やソフトウェアのバージョン管理などを行い、最新バージョンを全デスクトップに一括配布する機能Sun Control Station 2.1や、ポリシーベースで各デスクトップの構成管理を実現するJava Desktop Configuration Manager、リモートデスクトップの画面をローカルデスクトップ上に表示し、問題解決などをリモート上で行うことが可能なRemote Desktop Takeoverといった管理機能が標準搭載されている。
セキュリティについては、「Windowsのソースコードは公開されておらず、マイクロソフトの社内技術者しかチェック・修正できないが、Linuxはオープンソースであるため、脆弱性があった場合も世界中の高スキルのLinuxプログラマがすぐにそれを見つけて修正できる」(末次氏)とし、「オープンソースだからこそ安全なのだ」と主張する。
Java Desktop Systemの画面。Windowsと似たような作りになっているのがわかる(クリックすると拡大します) |
将来的には、同社が昨年より取り組んでいる次世代デスクトップ環境Looking GlassプロジェクトをJava Desktop Systemに反映させていくとしている。3Dベースのルックアンドフィールを実現するLooking Glassでは、デスクトップ上のアプリケーションを斜めに配置することも可能なため、「デスクトップ上のスペースをより効率よく使える」(同社プロダクト&ソリューション・マーケティング本部主幹部長 増月孝信氏)という。今年夏には、開発者向けのツールキットも提供予定だという。
販売方法は、伊藤忠テクノサイエンスなど同社の既存パートナーを通じての販売が主となるが、PCや他のソフトウェア製品と同梱販売するためのOEM提供も行う。東京フォレックス・ファイナンシャルは同日、Java Desktop SystemをプリインストールしたPCを発表しており、これは5月28日よりPC専門量販店などで販売される予定。なお、パッケージ販売については、将来的に検討するとしながらも現段階では未定。
米国ではすでにJava Desktop Systemsプリインストール版PCがWal-martで販売されているほか、中国政府では今後2億台のマシンに導入予定。さらにイギリス政府も公共部門のコンピュータ更新プログラムのためにJava Desktop Systemの試験導入を行っている。日本での販売目標は、「あくまでも目安だが」としたうえで、「Linuxデスクトップ全体の普及率は、デスクトップ出荷数1000万台のうち約3%、そのなかでの約10%、つまり初年度で3万台は狙いたい」(増月氏)としている。
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