ラスベガス発--Cisco Systems最高経営責任者(CEO)のJohn Chambersが発言すると、皆が耳を傾ける。
Chambersは米国時間12日、当地で開催中のNetworld+Interopで、2日めの最後を締めくくる基調講演を行った。経済に関するコメントが、グリーンスパンFRB議長並の注目を集める同氏は、ロックスター並の歓迎を受けて壇上に姿を現した。
たくさんの参加者が、Chambersが基調講演を行う会場に入りたい一心で、30分も前から会場に並んでいた。これまでの基調講演と同じように、Chambersは会場を埋め尽くしたエンジニアや競合相手、再販業者に、自社の顧客の状況を伝えた。同氏は前日行った第3四半期の業績発表のときと同じく、この日の基調講演でも多くの顧客の自信が大幅に改善されていると語った。
「昨年来、最高情報責任者(CIO)の自信が高まりつつある。まだ、若干の足踏み傾向はあるが、景気はこの3カ月で劇的に変化した。CIOは一般経済だけでなく、自社の活動する業界についても、楽観的な見方を示すようになっている」(Chambers)
Chambersは、この傾向がすでに多くのビジネスを同社にもたらしていると述べ、法人顧客からの売上が大幅に改善されていると語った。この傾向は、直近の四半期において特に米国で顕著だったという。また、企業幹部が自信を高めており、それぞれの事業の生産性を向上させるための投資を積極的に行うようになるだろうと述べた。
Chambersは、企業がそれぞれの目標を達成するうえで、Ciscoの製品やソリューションが貢献できることを宣伝する一方、顧客企業はビジネスプロセスを根本的に変革しない限り、生産性向上の恩恵を受けることはできないと指摘した。
同氏は例として自社を引き合いに出し、Ciscoが早い時期からe-learningツールを導入したことについて語った。Ciscoは、従業員にe-learningを提供するために、何百万ドルも投じて、社内ネットワークをアップグレードし改善したが、最初はなかなか生産性が向上しなかった。
しかし、やがてセールス担当者たちが、コンピュータの前に3、4時間も座り込んで一気に学習するのではなくレッスンを分割して学ぶことや、必要な学習項目だけを抽出して不要なレッスンを省くことを学んだ結果、生産性が向上したという。
「ある職務を自動化しただけでは、生産性は改善しないだろう。その基底にある根本的なビジネスプロセスから見直す必要があるのだ」(Chambers)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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