チェック・ポイント新製品、「Connectraでこれまでにない高セキュリティのSSL-VPNを」

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年05月12日 17時34分

 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは5月12日、ウェブセキュリティのソリューションとして、SSL-VPNの安全性をさらに高めたアプライアンスConnectra、ウェブ環境全体を保護するWeb Intelligence、セキュアなネットワークレベルのアクセスを提供するプラグインSSL Network Extenderを発表した。Web IntelligenceとSSL Network ExtenderはConnectraに搭載されるほか、同社のVPN-1のアドオン機能としても提供される。

 チェック・ポイントは、ファイアウォール/VPNのソフトウェア市場では70%、ハードウェア市場では36%というシェアを有し、ハード、ソフトともに同市場でトップの座を握っている(ソフトウェア市場はInfonetics、ハードウェア市場はFrost & Sullivanのデータによるもの)。チェック・ポイントのこの分野での売上は、年間5億ドルにものぼるという。しかし同社では、ファイアウォール/VPNを提供して境界部分のセキュリティを守るだけでは不十分だとし、内部セキュリティおよびウェブセキュリティのソリューションも総合的に提供するというIntelligent Security Solution戦略を昨年11月に打ち出した。

 この戦略に基づき、チェック・ポイントは今年1月にInterSpectという内部セキュリティを守る製品を発表している。今回発表されたものは、残された分野であるウェブセキュリティを守るためのものだ。「これまではウェブセキュリティ対策としてポイントごとの製品しか存在しなかったが、今回はすべて統合されたものだ」とCheck Point Software Technologies社長のジェリー・アンガーマン氏は述べる。

Check Point Software Technologies社長 ジェリー・アンガーマン氏

 ウェブ環境全体への保護を提供するというWeb Intelligenceは、複雑なチューニングや設定が必要なく、ウェブサーバの保護を容易に展開・管理することができるという。Web IntelligenceにはMalicious Code Protectorという特許出願中の機能が備わっており、バッファオーバーフロー攻撃やその他の悪意のあるコードを捕捉する。また、Advanced Streaming Inspection(先進のストリーミング検査)で、データストリームに対する検査と修正操作をカーネルレベルで実行し、スループットおよび接続速度を向上させることができるという。

 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの技術部長 卯城大士氏は、「既存のウェブアプリケーションファイアウォールでは、コストがおよそ500万円ほどかかり、セキュリティデバイスを追加するにはITスタッフのトレーニングが必要になる。だがWeb IntelligenceはVPN-1ゲートウェイのアドオンとして80万円(予定価格)から購入可能で、新製品Connectraには事前に搭載されている。ウェブ上のすべてを統合管理するため、IT管理者のトレーニングも不要。パフォーマンスも、競合するソリューションに比べるとギガビットのアーキテクチャは5倍高速だ」とアピールする。ただ同氏は、どのような競合製品との比較かについてのコメントは避けた。

 このWeb Intelligenceが搭載される新製品のConnectraは、SSL-VPNソリューションとしては「これまでにない安全性を備えている」(アンガーマン氏)という。他社製品はブラウザによるセキュアなアクセスが可能となるだけだが、Connectraはサーバセキュリティ、エンドポイントセキュリティ、ウェブによるネットワークアクセスまでを保護するという。エンドポイントセキュリティにおいては、チェック・ポイントが昨年買収したZone Labsの技術を取り入れ、スパイウェアの検知やアクセス拒否などを行う。

 Connectraには、同時に発表されたSSL Network Extenderも搭載される。これはウェブおよびウェブ以外のリソースに対して安全なリモートアクセスを提供するもの。ウェブプラグインを介してアプリケーションを通すため、クライアントPCに専用ソフトウェアをインストールしたり設定する必要はないという。IPsec VPNとSSL-VPNが混在する環境でも使用することが可能だ。

 Connectraの価格は、50ユーザーの場合190万円となる見込み。日本での出荷時期は6月を予定している。チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ代表取締役社長の松下晃雄氏は、「現在、チェック・ポイントの境界部分のセキュリティ製品は、業界を問わず約8割の企業で採用されている。そこにウェブセキュリティを追加してもらうために、まずは既存の顧客に対して販売していきたい」と述べた。

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