「ASICベースのセキュリティ機能をオールインワンで」:フォーティネットの戦略

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年04月26日 20時49分
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 Fortinetは、NetScreenの創設者で同社CEOを務めていたKen Xie氏によって2000年10月に設立されたネットワークセキュリティ機器ベンダーである。その後2002年第2四半期に発表されたASICベースのアンチウイルス・ファイアウォール・システムFortiGateシリーズは、これまでに全世界で4万台を出荷した実績を持つ。昨年2月には日本支社を設立し、順調な成長を続けている同社の戦略を説明すべく、マーケティング担当バイスプレジデントRichard Kagan氏が来日した。

 Fortinetはセキュリティソリューションのトップベンダーを目指しており、「我々のゴールは、最新のセキュリティをネットワークのあらゆるところに瞬時に提供することだ」(Kagan氏)という。ネットワークのあらゆる場所とは、コアやエッジ、ゲートウェイなどのすべてを意味し、Fortinet製品はあらゆる機能がオールインワンとなっているからこそすべてのポイントでセキュリティが実現できるのだという。

Fortinetマーケティング担当バイスプレジデントRichard Kagan氏

 しかも、ネットワーク速度がますます重要視されるなか、セキュリティ機能を追加したからといってスピードが落ちるようでは意味がない。同社製品はASICベースですべてのセキュリティ機能を提供するため、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせてセキュリティ機能を提供する他社の統合製品よりずっと高速なサービスを提供することが可能だという。「ASICベースでアンチウイルス、ファイアウォール、コンテンツフィルタリングなどすべてのセキュリティ機能が提供できるのはFortinetのみ」とKagan氏はアピールする。

 速度が特に重要となるのは、音声や動画を使ったネットワークサービスだ。同社の顧客の中にはテレビ会議システムなどを提供するPolycomが含まれているが、「ASICによるセキュリティ機能の提供で速度があがることはもちろん、ひとつの機器ですべての機能を提供できるため、いくつもの機器を通す際に発生する遅延もなくなる。これがPolycomのように音声や動画サービスを提供する企業に採用された理由だ」とKagan氏はいう。

 また同氏は「セキュリティ機能は常に最新のものでなくてはならない」と語る。現時点で万全なセキュリティ対策を施していても、新たなウイルスやセキュリティホールが次々と発見されているためだ。このためFortinetでは、セキュリティ対策を日々最新のものに保つためのサービスFortiProtect Servicesを提供しているという。このサービスは、同社のアプライアンス導入時に1年間保証され、その後1年ごとに更新するようになっている。「更新料は、ユーザー数に関係なく機器ごとに課されるため、ユーザーベースのソフトウェアライセンス料金と比べると非常に安価な設定となっている」と、Kagan氏は同サービスの価格優位性を説明した。

 Kagan氏はさらに、ウイルス対策などで不正パケットを検知する技術について述べ、「既存の技術で、パケットのヘッダを検査したり、パケットの単位ごとにコンテンツ内容を検査するといったものは存在したが、それだけでは複数のパケットにまたがるようなワームを検知することはできなかった」という。FortinetではComplete Content Protectionという技術を使い、ばらばらになったパケットを組み立て直すことで複数のパケットにまたがるワームの検知を実現している。「このような処理は非常に高い処理能力が必要となるため、アンチウイルス機能を備えたソフトウェアなどで行うと非常に時間がかかってしまう。これをASICベースで提供できるため、高速な処理が実現できる」(Kagan氏)

 昨年の日本支社設立以来、Fortinet製品は日本国内でも1000社以上に採用され、4500台が導入されているという。顧客はKDDIや日本ビジネスコンピューター、ソニー生命保険、東芝、東京大学など幅広い。Fortinetでは、2004年のコンテンツセキュリティ管理市場において「ワールドワイドで25%のシェアをめざす」としているが、Kagan氏は「日本ではネットワーク速度やブロードバンド普及率が他国より進んでいるため、高速なセキュリティサービスを提供できるFortinet製品はワールドワイドの需要よりも高いだろう」と述べ、日本市場に対して積極的に製品をアピールする姿勢を見せた。

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