Intelは12日(米国時間)、Intel PXA270プロセッサファミリ(コード名「Bulverde」)および同チップと合わせて利用するIntel 2700Gマルチメディアチップを発表する。PXA270チップを採用した最初の製品は今月中に、PXA270と2700Gチップを搭載した製品は今秋に、それぞれ登場する見込みだ。これらのチップによって、携帯機器の処理能力が向上してノートPCのレベルに近づくほか、消費電力削減も期待されている。
「これらのチップは、携帯電話メーカー向けに彼らとともにゼロから開発したものだ。性能/消費電力、マルチメディア再生機能、セキュリティという3つのポイントに力を入れている」とIntelのワイヤレスマーケティング担当マネージャー、David Rogersは述べている。
Intelは携帯電話チップ事業で競合するTexas Instrumentsの市場シェア切り崩しを狙いつつも、これまで苦戦を強いられてきていた。同社は昨年末、損失を食い止めるために通信事業を合併したが、合併された事業には携帯電話用チップを担当する部門も含まれていた。
Intelは、MMXやSpeedStepなどのノートパソコン向け技術を新チップに統合し、ゲームなどのパフォーマンスを向上しながら、消費電力管理機能を改善することで、携帯電話メーカーへのアピールを強めていきたい考えだ。
「Texas Instrumentsは、最近投入したOMAP2などのワイヤレスソリューションが引き続き好調だが、Intelは市場シェア争いに真剣に挑んでいる。Bulverdeではマルチメディアや節電機能、セキュリティといった部分に力を入れられており、OMAP2に真っ向から挑戦するものと見られている。これらの点はいずれも、携帯電話やプラットフォームメーカーにとって非常に重要な事柄だ」と調査会社IDCのアナリスト、Alex Slawsbyは述べている。
また今回発表されたチップには、Quick Capture技術が統合されており、端末に内蔵されたカメラを利用してテレビ会議を行なうことができる。セキュリティ関連では、仮想プライベートネットワーク(VPN)ソフトウェアサービスを使用して、企業の社内ネットワークに安全にアクセスすることが可能だ(Rogers)。
「携帯機器向けのデータアプリケーション開発に取り組んでいるのは、ノートPC用の同様のアプリケーションに携わったのと同じ人々だ。これは偶然の話ではない」(Rogers)
こうしたプログラムを携帯機器で動作させるにはそれなりの処理能力が求められるが、Intelではこのためにいくつかの強力なチップを取り揃えており、そのすべてが大量に出荷されている。PXZ270チップには、それぞれ312MHz、416MHz、520MHz、624MHzで動作する合わせて4つのモデルがある。これらのチップでは同社のStrataFlashメモリを最大で64Mバイトまで利用できる。なお価格については、312MHz版の場合で、1万基出荷時に1基あたり32ドルとなっている。
一方、2700Gマルチメディアチップは、1万基出荷時の価格が1基あたり17ドル。このチップは、DVDクラスの画質の動画を携帯機器上で再生することができ、MPEG-2やMPEG-4、MicrosoftのWindows Media Video9の各動画フォーマットをサポートする。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス