パワードコムは4月1日、前i2テクノロジーズ・ジャパンの代表取締役会長である中根滋氏を次期社長候補として顧問に任命した。中根氏は、6月の同社定時株主総会にて取締役に任命された後、社長に就任する予定。
中根氏は、日本IBMの流通産業営業本部長やアジア太平洋グループ社長補佐などを経てSAPジャパンの代表取締役社長に就任、その後プライスウォーターハウスクーパーズコンサルタントのマネージングパートナー、i2テクノロジーズ・ジャパンの代表取締役会長兼社長CEOなど、外資系企業のトップマネージメントを幅広く経験した人物。i2テクノロジーズでは、6500人程度いた従業員を2千数百人程度まで削減したというリストラの経験もある。同氏にとって日本企業は初の経験だ。
パワードコム社長に就任予定の中根滋氏(左)と、現社長の白石智氏 |
パワードコムの現社長である白石智氏は、中根氏の社長就任について「(パワードコムの筆頭株主となっている東京電力などの)電力業界では、信頼性が重視されるため、スピード感が出ない面がある。しかし、通信業界のスピードは電力業界とは比べものにならず、これまで電力を扱ってきた私がパワードコムの社長に就任して一番ショックを受けたことでもある。やはりこのあたりで電力業界以外の経験を持った人にかじ取りを任せるのが適当ではないかと感じた」とコメントした。「外部の力を借りるのは始まって以来のことだが、中根氏は競争が激しくスピード感のある通信業界に適した人物だと感じている」(白石氏)
白石氏を含む東京電力出身のパワードコム執行役員3名は、6月の株主総会で全員退任となる。次期会長候補は、「現在発表できる段階にはない」(白石氏)としており、「必ずしも通信業界に精通している必要はなく、動きの激しい業界でうまくやっていける人物を人選中」だという。なお、東京電力出身の役員が退任となっても、株主比率は変わらないという(現在東京電力の保有する同社株は35.6%)。
中根氏は、「車と経営、ともにスピード感のあるものが好き」という人物。今後のビジネスモデルはまだ固まっておらず、「夏ごろまでには改めて報告したい」としているが、「特に固定電話については相当な手入れが必要だろう。全体としては、パワードコムの電力系会社という背景を生かしたビジネスモデルや商品を提供したい」と述べた。
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