サプライチェーンマネジメント(SCM)ベンダーのi2 Technologiesは4月1日、都内で記者会見を開催し、創業者で代表取締役会長兼CEOを務めるサンジブ・シドゥ氏が今後の戦略について紹介した。
i2 TechnologiesはSCMの専業ベンダーで、矢野総合研究所の調査によると日本国内ではSAPに次ぐ第2位のシェアを占めている。特に製造業やハイテク関連企業に強みを持ち、国内ではNEC、日立、富士通、松下電器産業などの企業が導入している。
i2 Technologies代表取締役会長兼CEOのサンジブ・シドゥ氏 |
シドゥ氏はまず企業のIT投資の現状を紹介した。従来IT投資のうち7割がインフラに、30%がERPやSCMなどのアプリケーションに向けられていたが、ITバブル崩壊に伴ってIT投資が減少し、アプリケーションへの投資は全体の15%程度にまで落ち込んだという。しかし今後は、インフラへの投資額を抑え、アプリケーションへの再投資を行う企業が増えるとシドゥ氏は予測する。特にインドや中国の台頭によって日本企業は競争優位性を高めるためにSCMを再構築する必要があり、確実に市場はこの方向に向かっていると自信を見せた。
i2 Technologiesでは、「第2世代SCM」と呼ぶ新製品によってシェア拡大を図る方針だ。同社の製品は今まで計画・立案に特化していたが、データやイベント管理を行う機能を追加した。さらにWebサービスに対応したことで、社内の異なるシステムや取引先企業との連携が容易になり、サプライチェーンのPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを実現したという。
SCM市場はSAPなどのERPベンダーが高いシェアを誇っているが、シドゥ氏は「ERPベンダーは金融や流通の管理が中心だ」と指摘。さらに「米Dellのような優れたサプライチェーンを築いている企業は、専業のSCMベンダーのソフトウェアを利用している。企業は多種多様なシステムを統合したいと考えているが、ERPベンダーの主張はすべてのシステムを自社のものに変更せよというものだ。これは、新しく寝室を作りたいという顧客の声に対して、新しく家を立て替えないといけないと言っているようなもの。我々のソフトウェアはWebサービスに対応しており、現在顧客が利用しているシステムと連携して利用することができる」と専業ベンダーの強みを強調した。
日本市場の状況については、「日本の半導体産業やデジタル家電分野などの業績が回復しており、これに伴って2004年度は業績が躍進するだろう」(シドゥ氏)と期待を寄せる。今後は新たに流通分野や消費財分野にも顧客を広げたいと話した。
同社は同日、最高顧客責任者を務めるハイデン・バリア氏がアジア太平洋地域を統括すると発表した。前任者の中根滋氏は退任する。中根氏は法人向けにネットワークサービスを提供するパワードコムの社長に就任する予定だ。
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