Macromediaは米国時間29日、ウェブアプリケーション向けのFlashフォーマットの利用拡大を狙った新しいサーバ製品を発表した。
以前「Royale」というコード名で呼ばれていた同社のFlexは、開発者がJavaや.Netのようなふだん使い慣れている言語で作ったスクリプトを、ウェブアプリケーション上で実行できるようにするもの。Flexはこれらのスクリプトを、Macromedia版のXML(extensible markup language)に変換し、Flash Playerが理解できるようにする。
Macromediaの製品管理およびマーケティング担当バイスプレジデント、Jeff Whatcottは、Flexの主な用途は、ウェブアプリケーション用の魅力的なインタフェースを作成することだと述べ、どちらかと言えばこれは開発者が往々にして見逃している分野だと説明している。
「Flexは、エンタープライズアプリケーションの開発者がリッチアプリケーションを作成できるようにすることに重点を置いている。アプリケーションが実際に成功するには、ユーザーエクスペリエンスの改善が欠かせない」と、Whatcottは述べた。
現在Macromediaでは、Flashフォーマットの用途を拡大するという広範な取組みを進めており、主として動きのあるウェブ広告に使用されていた同フォーマットを、ウェブアプリケーションやコンテンツ配信用の、広範なプラットフォームに変身させようとしている。同社は、Flashベースのウェブ会議サービスや、ウェブブラウザなしでFlashアプリケーションを動かす実験を開始したり、ビデオや他のマルチメディア機能を同フォーマットに追加するなどの動きを進めてきた。
Flexは、主流の開発者がFlash開発ツールの使い方を学ばなくても、同フォーマットを利用できるようにすることで、Flashの用途拡大を進めるものだ。同社の開発ツールは、タイムラインベースのインタフェースを採用しているが、これはグラフィックを扱う専門家に馴染みのあるもので、主流の開発者にはあまり浸透していない。
「Javaや.Netでプログラミングを行う開発者は、タイムラインペースのインタフェースに慣れていない。彼らは使い慣れた既存のツールでリッチアプリケーションを作成したいと思っており、Flexはまさしくそれを可能にするものだ」(Whatcott)
Flexは、IBMのWebSphere、BEAのWebLogicやApache Tomcatなど、有力なJavaアプリケーションサーバと連動する。価格はサーバCPU2基につき1万2000ドルとなっている。
Macromediaには、「Brady」というコード名のFlexをベースにした独自の開発ツールがあるが、ただし同社ではプログラマは使い慣れたスクリプト作成ツールを引き続き使用するだろうと考えている。「使用する開発環境はNotepad(Windowsに組み込まれた簡易版ワープロ)からハイエンドのIBMツールまで、何でも構わない」と、Whatcottは説明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス