IBMは、同社プログラミング製品統合の第1段階として、Rational開発ツールを書き直し、Eclipseオープンソースソフトウェアとの連携度を高めようとしている。
同社は、今後1年半をかけてRationalツールを開発し直し、Eclipseと完全統合するようにすると29日(米国時間)に明らかにした。この動きは、同社がIBM Software Development Platform計画のアップデートで明らかにしたものだが、この計画はEclipseのプロジェクトで開発されたソフトウェアを使って、IBMのさまざまな開発ツールを結び合わせるというものだ。
Rationalの作り直しは、IBM Software Development Platform計画の第1段階となる。IBM Rationalのグループマーケティングマネージャー、Jeff Hammondによると、ビジネスアプリケーションの設計および構築に使われるRationalツールの約80%は、Eclipseのアドオンとして機能しているという。このため、Eclipseでの開発に労力を注ぎ込むことが、IBMにとってはより良く統合された製品が得られることつながると、Hammondは述べている。
「変わるのは、Eclipse内の統合の程度だ。顧客には、より深いレベルで、さらに密接に統合された製品を提供することになる」(Hammond)
IBM Software Development Platformの目標は、ITプロフェッショナルがIBMが出す複数の開発ツールを同時に使いやすくすることだ。アプリケーションのモデリングやテスト、開発、監視などのツールを効果的にリンクできれば、ビジネスアプリケーションをより高速に開発できるようになり、コスト効率も良くなると、同社幹部は話している。
また長期的には、IBMはEclipseソフトウェアを使って、同社のさまざまなサーバソフトウェア製品間でデータ交換用を行えるようにすると、同社幹部が29日に明らかにした。
同社では、たとえばTivoli管理ソフトウェアが収集したシステム監視情報を、Rationalの設計・テストツールに自動的に移送できるようにすることを計画している。これにより、システム管理者やソフトウェア開発者は、新しいアプリケーションのインストールやアプリケーションバグの追跡などで、より効果的に協力し合えるようになるだろう。
Eclipseは、複数の開発ツールを1つのウィンドウ内に統合するための、技術的なフレームワークだ。Eclipseソフトウェアを開発しているEclipseオープンソースプロジェクトは、IBMが2001年に設立し、今年理事会メンバーを選出してオープンソース組織となった。
IBMでは、同社のプログラミング製品に関する計画について、さらに詳細な概要を、今年夏に予定されている「IBM Rational Software Development User Conference」というイベントで明らかにすると説明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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