日本IBMは27日、developerWorks Live!カンファレンスにて同社のソフトウェア事業戦略についての記者発表会を行った。Rational Softwareとの統合でIBMでは5つのソフトウェアブランドが揃ったことになるが、今回の発表会では日本ラショナルソフトウェア代表取締役の斉藤肇氏が、先日米国にて発表された新製品とその販売戦略を含めIBMにおけるラショナルの位置づけを語った。
IBMはこれまで、オンライントランザクションシステムのWebSphere、リレーショナルデータベースのDB2、グループウェアのLotus、統合システム管理ソフトウェアのTivoliという4つのソフトウェアを抱えていた。この4つで運営・管理部分はカバーされるわけだが、ここにRationalが加わることで、「ソフトウェア開発のベースとなる“Build”の部分がカバーされることになる」と斉藤氏はいう。
「(IBMが推進してきた)オンデマンドビジネス、つまり顧客のビジネスニーズに臨機応変に対応するために必要なことは、迅速な開発とタイミングのよさ、品質の向上、そして適正な価格で製品やサービスを提供すること。これらを実現するためにラショナルのツールが役に立つ」(斉藤氏)。
日本ラショナルソフトウェア代表取締役、斉藤肇氏 | |
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斉藤氏は、「ラショナルのミッションは、ソフトウェア開発における全工程を成功させることにある。これはIBMに統合されても変わらない」と強調する。同氏が言うには、ソフトウェア開発においてラショナルが重要だと考えることは、習熟性、プロセスの改善、再利用、情報共有の4つだという。「トレーニングやコンサルティングを通じて習熟性を向上させることがひとつ。プロセスをなるべく自動化し、改善していくことがひとつ。生産性をあげるために再利用を促進することがひとつ。そして大規模な開発には特に言えることだが、チーム間で情報を共有してソフトウェアに一貫性を持たせることが重要だ」(斉藤氏)。
ラショナルではソフトウェア開発の全工程をカバーするため、開発プロセスのRUP(Rational Unified Process)、構成管理のRational ClearCase/ClearQuest、要求・分析ツールのRational RequisitePro、設計・開発ツールのRational RoseやRational XDE、そしてテスト用のRational Robot、Rational PurifyPlusなどを用意している。また今回ラショナルは、J2EEアプリケーションの開発を自動化するツール、Rational Rapid Developerや、XDEの機能強化でテスト機能の充実を計ったRational XDE TesterとRational XDE Developer Plus、またRUPの機能拡張を発表している。
新製品の追加で、「ソフトウェア開発のライフサイクルをすべてサポートできる」と斉藤氏は述べている。ただRational Rapid Developerについては、ダブルバイト化に時間がかかるため日本での製品化は来年度になるとのことだ。それまでは「米国版を評価してもらいつつ、日本語化を進めていきたい」としている。
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