米IBM、ラショナルをオープンソースのEclipseに対応させる戦略

 米IBMのツール部門であるRational Softwareが、来週にも開発製品をより統合されていて使いやすくするための方針を提示するものと見られる。

 米国フロリダ州のオーランドで行われたRationalの顧客向けカンファレンスにおいて、IBM幹部は今後2年間で追加されるRationalのモデリングとソースコード管理ツールの強化を話し合う。Rationalはまた、IBMへの編入の経過報告書も用意していると予想される。IBMは昨年12月に21億ドルでRationalを買収した。

 さまざまなツールを統合していく過程の中で、Rationalは製品を構成するソフトウェアをIBMが支援しているオープンソースの開発ツール環境Eclipseのモデリング標準に適合するように変えていく。背景の基本設計概念のオーバーホールにより開発者が協同することが簡単になり、IBMが機能をよりすばやく追加できるようになる、とIBMのRational事業部長であるMike Devlinは言う。

 IBMは約2年前に4000万ドルの資金を拠出したEclipseオープンソースプロジェクトに大きく賭けている。Eclipseソフトウェアはフレームワーク、あるいはシングルグラフィカルインターフェイスの役割を果たしていて、それを通して開発者は複合的な開発ツールを使うことができる。IBMはEclipseソフトウェアを自社が持つ数十の開発ツールを結合するために使っている。

 「ツールの統合をより進めることがRationalにとっての重大な目標である。Rational製品ラインは現在あまり統合されておらず、IBMの全体的なツールのポートフォリオは重複している製品を含んでいる」と米Forrester ResearchのJohn Meyerはいう。

「IBMがこの市場でリーダーになりBorland Softwareに勝つためには、Rationalの獲得の際に約束したものを提供する必要がある。それはJ2EE(Java 2 Enterprise Edition)アプリケーションを素早く構築して展開するための、より強く統合されたツールでさらに堅固なフレームワークだ。」(Mayer)

 ちょうど今週、米連邦行政機関を顧客に抱えるシステムインテグレーターのSpectrum SystemsがRationalからBorlandのツールに切り替えた。Spectrum Systems社長のRon Segalによれば、RationalのツールがBorlandのものほど全体が統合されておらず、開発者の訓練がかなり必要だったことが、Borlandと契約した理由の1つだという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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