Novellは昨年、SuSE Linux買収によってLinux OS販売で第2位に躍り出たが、その同社が5月に新しいLinuxコアを搭載した新バージョンのオペレーティングシステムを発売する。同社が現地時間18日に明らかにしたもの
新たに発表となる「SuSE Linux 9.1 Professional」は、OSのレスポンス向上を目指してLinuxコアを徹底的にオーバーホールした2.6カーネルを採用する。59ドル95セントで発売されるこの新バージョンは、IntelやAdvanced Micro Devices(AMD)製x86チップの64ビット拡張をサポートし、4Gバイト以上のメモリを扱えるようになる。
Novellでは、初心者ユーザーをターゲットにした「Personal」バージョンも29ドル95セントで販売する。これは、Linuxをハードディスクにインストールせずに試用してみたいというユーザーのために、CD-ROMから直接起動できるようにしたものだ。
Novellは18日、ドイツのハノーバーで開催中のCeBitトレードショウで、この新バージョンを発表した。
NovellのSuSE部門では、同OSのEnterpriseバージョンも販売している。こちらは、それほど頻繁な変更がなく、ソフトウェアおよびハードウェアのパートナー各社や顧客が、立て続けに新ソフトウェアのテストや動作確認を行わなくてもいいようになっている。SuSEによると、Enterprise版のサーバとデスクトップ製品は、春の終わりから初夏にかけて出荷が予定されているという。
Linuxはサーバでは広く普及が進んでいる。2.6カーネルで最も大きな改善が見られるのもこの分野で、より多くのプロセッサやメモリ量のサポートや、同時に処理できるタスクの数が増えるなど、いくつもの変更が加えられている。
だが、Red Hatは2.6カーネルの採用に対して、Novellより慎重な姿勢をとっている。同社は、2.6カーネルを搭載した初めての製品のテストを始めたばかりで、同カーネルを採用したエンタープライズバージョンの出荷は2005年以降になると見られている。しかし同社は、2.6カーネルの一部の機能を「先取り」し、これらを現行の2.4カーネルベースのRed Hat Enterprise Linuxに移植している。
2.6カーネルでは、デスクトップソフトウェアにも改良が施されている。マウスのクリックといったユーザーのアクションに対するLinuxの反応を速める変更、新しいAdvanced Linux Sound Architecture、DVDやCDへの書き込み高速化、スリープやバッテリ駆動時の節電モードといったコンピュータのアクションをコントロールするACPI技術のサポートなどが、このなかには含まれる。
NovellのProfessionalおよびPersonalの両製品には、Gnomeのバージョン2.4.2やKDEのバージョン3.2.1など、オープンソースコミュニティの最新ソフトウェアもいくつか含まれている。この2つのユーザーインターフェースパッケージには、グラフィカルアプリケーション用の基本コンポーネントに加え、インスタントメッセージング(IM)、電子メール、ウェブブラウザ、音楽プレーヤーなどさまざまなソフトウェアも含まれている。また、どちらのバージョンにもMicrosoft Officeと競合するOpenOffice.org 1.1が含まれる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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