ノベルは3月18日、企業システムのユーザーアカウントを統合し、ID管理を容易にするメタディレクトリ製品の新版を発表した。製品名は「Identity Manager 2.0」。導入や運用の際にXMLのスキルが不要になった点が特徴で、大企業から中小企業までをターゲットとしている。
Identity Manager 2.0は同社のメタディレクトリ製品「DirXML1.1」の後継となる。企業内で利用するERPやデータベース、メールサーバなどにユーザーがアクセスする際のアカウントを統合し、1つのIDですべてのシステムが利用できるようにする。これにより利用者は複数のIDを覚える必要がなくなり、システム管理者の負担も軽減される。
Identity Manager 2.0では新たにパスワード管理機能を強化した。1つのアプリケーションでパスワードを変更した場合、自動的にすべての連携システムでも更新が行われるほか、ユーザー自身がパスワードのリセットや変更ができるようにした。また、セキュリティポリシーがウェブベースで設定できるようになり、ウィザードを利用して簡単に設定を行えるという。
ノベル代表取締役社長の吉田仁志氏 |
企業に対する不正アクセスや情報漏えい事件が相次ぐ中、企業システム内でのID管理の強化が注目を集めている。 ノベル代表取締役社長の吉田仁志氏は、「セキュア・アイデンティティ・マネジメントは企業の業務プロセスに合った形で設計する必要がある。製品だけでなく、信頼性の高いインフラ、他のシステムとのリアルタイムな連携、カスタマイズを行うコンサルティング能力が重要だ。この4つを兼ね備えているのはノベルしかない」と自信を見せた。
ノベルでは同時に、ディレクトリ製品の「eDirectory 8.7.3」、Windowsアプリケーション・シングルサインオン製品の「SecureLogin 3.5.1」、セキュリティ監査製品の「Nsure Audit 1.0.1」も発表した。
eDirectoryはユーザーごとに職務権限や役割を定義する。これによって、ユーザーごとにアクセスできるシステムを制限することが可能になる。今回は対応プラットフォームにWindows Server 2003とHP-UXを追加した。SecureLoginは1回の認証で複数のシステムを利用できるシングルサインオンを提供する。今バージョンで、セキュリティレベルの高いシステムではアクセスのたびに認証を求める個別認証機能を追加した。
Nsure Auditは、日本では初めての販売となる。セキュリティ、システム、アプリケーションに関するイベントデータを収集し、リアルタイムで監視を行う。ログには証明書を付加し、改ざんなどを防ぐことが可能という。
いずれの製品も3月30日に発売される。価格はオープンだが、市場想定価格はIdentity Managerが1ユーザー当たり1400円から、eDirectoryが同240円から、SecureLoginが同1万1000円から。Nsure Auditはロギングサーバ1台当たり140万円からとなっている。
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