米Novellは、セキュア・アイデンティティ・マネジメントについてのアーキテクチャガイド「A Superior Foundation for Secure Identity Management(セキュア・アイデンティティ・マネジメントのための優れた基盤とは何か)」を公開した。同社が米国時間7月8日に明らかにしたもの。同社では、「同ガイドにより、顧客がセキュア・アイデンティティ・マネジメントの主要構成要素を理解し、理にかなった設計と導入によって実際の業務上の問題を解決できるよう支援する」としている。
同ガイドは、ノベルのアイデンティティ・オートメーション・フレームワーク(IAF)についても紹介している。IAFは、今後のあらゆるNovell Nsureソリューションのベースとなる技術アーキテクチャであるという。
Novell最高経営責任者(CEO)室付副会長のChris Stoneは、「アイデンティティ管理の導入でよくある誤りは、業務上の問題に対して対症療法的に取り組むこと」と指摘する。「断片的なアプローチでは、結局新たに統合性のないアイデンティティ管理の格納場所を作り出すだけの結果となってしまう」(同氏)
またほかのベンダーの製品について、同氏は以下のようにコメントする。「多数のベンダが完全なアイデンティティ管理ソリューションの提供をうたっているが、効率的に対処できるのは1つの分野だけで、残りの部分については他社に頼っているのが現状だ。こうしたやり方は包括的なアイデンティティ管理とはいえない」
Novellの公開したアーキテクチャガイドでは、以下の基本的な手順に従い、段階的に包括的なアイデンティティ管理を実現していくことを骨子としているという。
社内で用いるアイデンティティ情報は、より所となる情報源を確保した上で統合する必要がある。例えば、集中的なアイデンティティ管理システムや関連インターフェースを利用するからといって、人事担当者にこれまで使用していたPeopleSoftやSAPなどのアプリケーションの利用をやめさせることは現実的ではない。
実績のある管理技術を統合されたアイデンティティに適用することで、アイデンティティ情報の作成や管理の自動化、迅速化、簡素化を図る。こうした技術には、社内での役割に応じた管理作業、ワークフロー、自己管理、トリガによる管理システム連携などがある。
作業の効率化だけでなく、業務リソースの秘匿性、一貫性、セキュリティを維持するため、インフラに付加機能を導入する。こうした機能にはフェデレーションに基づく認証、アカウントに対する制限、セキュリティを確保した上でのログ収集と監査などが挙げられる。
最後に確固とした基盤を構築した上で、企業はパスワード管理やウェブアクセス、プロビジョニング、シングルサインオン、その他の業務上の問題に対し、迅速かつ効率的に対処できるようになる。
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