---CAPCの主な収益源は。
田中: Curlアプリケーションをウェブ上で実行するためのサーバライセンスと開発環境の2つです。3月に販売を開始したバージョン3.0では価格を大幅に改定し、導入しやすい料金にしました。開発環境(IDE)が5万9800円、サーバライセンスが20ユーザーで30万円からとなっています。また、クライアント側に導入するランタイムエンジンは無料でダウンロードできます。
---有料の言語ではなかなか広まらないのではないですか。
田中: 多くのコンパイラは有料でしたし、Javaもすべて無料なわけではありません。Javaが無料で使えるとしても、アプリケーションが増えればより大きいサーバを買う必要が出てくる。開発前ではCurlの環境費用に目が行くわけですが、Javaでの開発コスト、稼動させる為のサーバコストをトータル的にカバーし、余りあるものと考えています。また、操作性、レスポンスの向上は日々の業務効率化に目に見えない寄与をするものと信じています。
塩野谷: 逆に、Curlを使えばサーバの負担がかかりませんから、コストの削減が図れます。ユーザー企業は厳しい経営環境下にあり、投資をしにくい状態です。開発の生産性を高めつつ、インフラに対する投資を最小限にしたいというジレンマを抱えています。
SIerの中には、Javaを使って工数も時間もかけたほうが儲かると言うところもあります。しかし、ユーザーは今までのように多額の開発費をかけられません。もしユーザーの想像以上に安く簡単にできるシステムを提示したら、絶対に受注できるでしょう。
Curlは今までのシステム開発のビジネスモデルを完全に変えるものです。これまでよりも速く簡単にシステムを作ってしまうわけですから。SIerはその分受注量を増やすことができる。言い換えれば、SIerの収益構造の変化を支える技術がCurlです。
---逆にSIerの意識が追いついていないことが課題だと。
塩野谷: 今までのビジネスモデルで収益を上げている企業もあります。そういった企業からみれば、1億円の受注額をわざわざ1000万円にすることはないと考えるでしょう。しかし、どこかの企業が1000万円の見積もりを出してきたらどうするのか。しかも、できあがったシステムが使いやすく、ハードウェアのコストもかからないとしたら、ユーザーはどっちを選ぶでしょうか。
我々はユーザーに対する啓発をしていく必要もあります。システム開発に要らないお金を払っているんじゃないですか、と。自社セミナーや展示会でこういった活動を進めていきます。
---Curlを使うことで、開発期間はどの程度短縮されるのですか。
田中: 開発者に聞くと、「感覚的にはJavaの半分から3分の1の期間で済んだ」と言います。また、独シーメンスではJavaを使って300人日をかけても構築できなかったアプリケーションが、Curlを使って300時間で完成したそうです。
---国内の導入事例を教えてください。
塩野谷: (ディスプレイデバイスの開発、製造、販売を行う)日立ディスプレイズや、(通信機器の販売を行う)ネクサスでは、業務システムをCurlで構築しています。日立ディスプレイズはERPのSAP R/3のフロントエンドで採用しています。また、CAPCのパートナーでもあるSIerのアイザックは、Curlを使った勤怠管理用パッケージソフト「おまかせ勤怠」を作り、販売しています。このほかにも大型の案件でCurlを採用した例があります。
田中: 国内ではサーバライセンスを20社以上に出しています。また、業務用に開発環境を使っている企業が10社弱あります。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する