日立製作所は、炭化水素系の膜/電極接合体(MEA)を使った固体高分子型燃料電池(PEFC)で4000時間の連続運転に成功した。同社が3月4日に明らかにしたもの。この炭化水素系MEAは、現在主流のフッ素系MEAに比べてコストが低いという。
MEAは、燃料電池の最小構成単位に相当する発電部品。白金などの貴金属微粒子を含む触媒を材料とする薄膜電極を、電解質膜の両面に貼り合わせてある。燃料電池の性能は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換するMEAの性能によって左右されるが、現在は発電電圧特性に優れるフッ素系電解質膜を用いたMEAが使われているという。ただし、「今後さらに低コストな電解質膜の開発が求められている」(同社)。
同社は芳香族系エンジニアリングプラスチックを原料とする炭化水素系電解質膜の開発を進め、課題であった発電特性と耐久性の大幅な向上に成功したという。「同電解質膜ベースのMEAは、フッ素系MEAと同等の初期発電特性を示したほか、4000時間の連続発電試験でも安定した発電性能を維持できた」(同社)
同社では、「この炭化水素系MEAと当社の金属セパレータを組み合わせることで、PEFCの低コスト化が可能となり、電気自動車用燃料電池への適用の可能性もある」としている。
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