「シェア争いより市場拡大がミッション」:ベリタスソフトウェア木村社長 - (page 3)

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年03月17日 19時44分
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---そういったハードウェアベンダーも、現在多くのソフトウェアベンダーを買収しています。そのソフトウェアベンダーの中には中立的な立場を取る企業も多いと思うのですが、そうなると他社のハードウェアもサポートできるようになるのではないでしょうか。

 確かに数々のソフトウェアベンダーが買収されていますね。ただ、この状況は市場を狭めています。中立的なソフトウェアベンダーがハードウェアベンダーに買収されることで、これまで協業関係にあったソフトウェアベンダーと買収先以外のハードウェアベンダーが敵同士になってしまいますから。Legato Systemsと協業していたハードウェアベンダーも、EMCが同社を買収したことでLegato製品が使えなくなります。LegatoのシステムはもうEMC専門のソフトになってしまった感がありますからね。仲良くしていたベンダー同士がコンペティターとなってしまうわけです。しかし、そういうところで戦っている場合ではないと思うのです。日本の企業に対してわれわれのソリューションを徹底的に浸透させ、企業を変えていくのがわれわれの役目なのですから。

---ではソフトウェアベンダーは独立していた方がいいとお考えですか。

 独立しているかどうかより、基本的にはOSにもハードにも依存しないソリューションを提供できるのであれば、どこの資本傘下に入ってもかまわないと思います。しかし、なかなかハードメーカーの戦略の中に組み込まれてしまうと、ハードやOSに対して中立的になるのは難しいでしょう。

---VMwareは、EMCに買収されても中立的なビジネスを行うと主張していますが。

 本当に中立的に動いて行くのであれば、大歓迎です。緊張感のある競合関係が生まれるかもしれませんし、市場自体も活性化しますしね。ただやはり難しいでしょう。

---ハードウェアメーカーとはコンセプトが違うとなると、ベリタスの競合はどこになるのでしょう。

 現状のパイの中では、色々なところとぶつかる可能性はあります。Windowsのバックアップ製品であればComputer AssociatesのARCserveなどが競合製品となります。クラスタリングのソフトウェアは、富士通、日立、東芝なども抱えていますしね。ただ、ベリタスの製品はプラットフォームフリーですから、EMCや富士通、日立など、すべてのハードウェアをサポートしています。あるところでは競合していますが、他の部分で協業できているのです。それよりも、まだ入りきれていない市場は山のようにありますから、その入り込めていない市場に入り込むことが一番の戦いどころでしょう。個々の競合はそれほど大きな競合だと考えていません。

 また別の考え方として、ハードウェアメーカーが自社のハードウェアで囲い込もうとする大きな戦略そのものは大きな競合となります。ハードウェアメーカーの主張は、時代に逆流しています。時代を戻してはいけません。先に進まなくてはITそのものが企業の重荷となってしまいます。市場を作ることがベリタスにとっての最大のミッションだと考えます。

---ベリタスも多くのソフトウェアメーカーを買収しましたが、すでにユーティリティコンピューティングが実現できると主張されていることからも、これですべてのパーツは揃ったと考えていいのでしょうか。

 そうですね。Precise Softwareの買収でパフォーマンス管理を実現し、Jareva Technologiesの買収でプロビジョニングを、そしてEjasentの買収でアプリケーションレベルでの仮想化・自動化が実現できるようになり、それぞれの部分でそれぞれのソリューションを提供できるようになりました。ただ、新しいソリューションが今後も出てくる可能性はあります。われわれは、ストレージ、サーバ、アプリケーションといったそれぞれのレベルでパフォーマンスやアベイラビリティを高め、少しずつ成熟したシステムを作りあげるよう心がけて動いています。ですから、新しいソリューションを打ち出す可能性は常にあるといえます。

---ちなみに、EMCが買収した多くのソフトウェアベンダーの中で、実はベリタスとしても買収したかったと思うような企業はありますか。

 EMCは確かに多くの企業を買収しましたが、Legatoにしてもどうして買収したのか疑問に思うくらいです。経営上、それほど好調ではないように見えましたし、EMCの買収した企業はどれもその分野でトップ企業というわけではありませんからね。EMCのようなハードウェアベンダーがなぜソフトウェアを多く扱うようになったのか、それはハードウェア単体を販売するというビジネスモデルが厳しくなり、ハードを売るための手段としてソフトウェアを提供しようという動きに出たためです。それがベリタスとは考え方が違うところです。ベリタスはソフトウェアしか扱っておらず、市場に対する見方が違います。ハードウェアを売るためにソフトウェアを付属品として提供するのではなく、市場を活性化してオープンにするためにソフトウェアを提供しているのです。これが大きな違いです。

 ただ、EMCは品質のよいハードウェアを作っているのだから、その部分を強化することに注力し、どんなOSでもどんなアプリケーションでも動くのだという方向に向かってほしいですね。それがIT業界の活性化につながりますから。我々はEMCにもっとオープンでいてほしいと考えています。EMCの製品もよいものだと感じているので、ぜひ一緒に活動していきたいと思っています。現在、EMCのハードウェアもベリタスの検証センターに設置しようと提案しているところです。ベリタスは、ハードウェアベンダーとはやはり競合ではなく、最終的にはパートナーですから。

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