インテル、チップの配線に光ファイバーを導入へ

Michael Kanellos(CNET News.com)2004年03月01日 11時39分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 何年も先の話だが、パソコン内部に光ファイバーが導入されることになりそうだ。

 IntelのComponents Research Labでは、コンピュータ内部でマザーボードとチップを結ぶ銅線を、より高速でエネルギー効率のよい光ファイバーに置き換える方法の開発に取り組んでいる。

 同研究所では、1秒間に1Gビット以上のスピードでデータを転送する光学チャネルを8つ用いて各チップをつなぎ、合計8Gビット/秒の転送速度を実現する試作システムを製作した。導波管と呼ばれる各チャネルは、最大で3ギガビット/秒のスピードでデータを転送できる。

 この転送速度は通常の光ファイバー技術よりも遅く、今日のパソコンの標準接続技術でもこれより高速なものが存在する。しかしこの試作品は、チップのパッケージ内に全ユニットが入るうえに現行の光ファイバー部品よりも安価になるはずだ。また、最終的にはさらに高速化するとIntelは述べている。

 こうした取り組みの主な目的は、金属の内部配線やバスに由来する問題の回避だ。たとえば、PCI Expressのチャネルは2.5Gビット/秒でデータ転送が可能だが、しかし金属チャネルでは、信号の減衰などの問題により、10〜20Gビット/秒で頭打ちになる可能性が高いと、Intel研究所の高性能回路および技術統合ディレクターIan Youngは述べている。

 「(銅配線では)10Gビットで問題が生じ始める。周波数が高くなるにつれて、光学信号の減衰スピードは電気信号の減衰よりもずっと緩やかになる」(Young)

 光チップメーカーのPrimarionも同様の技術に取り組んでいる。IntelもPrimarionも、数年前から光接続技術の検討を始めていた。

 光ファイバーは現在サーバの接続に利用されているが、2〜7年後にはコンピュータ内部のボードの接続に利用されることになるだろう。Youngによると、チップ同士を光ファイバーで接続する技術が登場し始めるのは、約7年後になりそうだという。

 信号を電子で運ぶ金属製ワイヤとは異なり、光ファイバーでは光子で信号を運ぶ。転送スピードは金属よりもはるかに高速で、熱も生成しない。光ファイバーは高性能ではあるものの、光学パーツは従来金属パーツよりも価格がはるかに高く、製造も困難だった。

 Intelは、可能な限り多くのコンポーネントを標準的なシリコンウェハ上に搭載することで、光学技術に内在する困難の一部を取り除こうとしている。同社は先頃、レーザー光線を0と1に変換するシリコンモジュレータを披露している。

 だが、すべてのコンポーネントがシリコンに変更できるわけではない。たとえば、シリコンからは光は作り出せない。さらに、チップ同士の接続には、ガリウムヒ素やゲルマニウムでできたコンポーネントも含まれているため、製造コストが上昇する。だが、それでもこの計画を実現させるのに充分な技術が、標準的なシリコンチップに統合可能だとYoungは説明している。  「これはハイブリッドなパッケージだが、我々はコストと性能の点で、目標に到達できると考えている」(Young)

 一方The Microprocessor Reportの編集長Peter Glaskowskyは、光ファイバーが全体の計算処理能力を改善できることはまず間違いないものの、しかし実現は簡単ではないだろうと述べている。マイクロプロセッサは大量の熱を発生させるが、光ファイバー用機器は熱に弱く、過熱すると誤動作するおそれもあるからだ。

 

この記事は海外CNET Networks発の ニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加