米インテル、ネットワーク機器向けにPCI Express派生規格を採用

 米Intelは、サーバやPC向けにつくられたPCI Express規格から派生したAdvanced Switching(AS)仕様を、ネットワーク機器向けの回路基板とチップを結ぶバス規格として普及促進していく。

 ASは理想的には、ネットワーク機器のコスト削減と、性能の向上を実現する、とIntel Communications Groupの最高技術責任者(CTO)、Eric Mentzerは話している。現在、ルータの内部でのスイッチの接続やコンポーネット間のデータのやり取りは、堅牢だが古さの目立つPCI、もしくは開発コストが高くつくカスタマイズしたチップを経由している場合が多い。

 「PCIは、そもそも通信機器用に考えられた規格ではなかった」というMentzerは、十年ほど前にもともとのPCI仕様策定にかかわった人物だ。

 AS規格では、PCIよりはずっと高速にデータがやり取りされるようになる。PCIのクロック数は133MHzだが、ASの親規格にあたるPCI Expressの速度は2.5GHz以上だ。また、ASチップは規格に合わせて大量生産することが可能なので、カスタマイズしたチップよりも製造コストが安くなる。

 ネットワーク業界での規格推進は、Intelの赤字部門であるCommunications Groupが重点的に取り組んでいる事柄の1つ。Communications Groupは、電話会社やネットワーク機器メーカー向けのチップを製造している。電話会社やネットワーク機器メーカーは長い間、製品開発や設計のほとんどを自社で行なってきたが、景気低迷を受け、数万人もの従業員をレイオフしている。

 Intelでは、このような自社開発を諦めたネットワーク企業なら、従来よりも他社製の標準パーツを採用しやすいはずだと期待しており、この戦略はすでに結果を出し始めているようだ。たとえば、多数のメーカーが結集して、通信機器製造のオープンフレームワーク、Advanced Telecom Computing Architectureを結成した。それでも、通信業界全体はいまだに停滞から抜け出せずにいる。

 Mentzerによると、ASの仕様は今年末までには最終決定される見通しで、この標準に準拠したチップは2005年前半に発売されるという。そして、実際にこのチップを組み込んだ製品が登場するのは、2005年後半になる。

 なお、PCI Express用コンポーネントは今年末までに登場し、またPCI Expressチップを含んだ製品は2004年に発売される見込みである。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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