Sun Microsystemsは、インターネット対応の携帯電話の大半で実行できる、単一のJavaプログラムの開発に問題があったことを認め、提携企業と協力して、この問題を解決するための2つの取組みを開始した。
Sun、Nokia、Motorola、Siemens、Sony Ericssonは現地時間24日、カンヌで開催中の3GSM World Congressで、「Java Verified」と呼ばれるパートナーシップを始めたと発表した。これは、携帯電話用のJavaが「write once, run anywhere(一度書けば、どの環境でも動く)」というスローガンの実現に近づくことを目的としている。
さらに、Sunのコンシューマ&モバイルシステムグループでバイスプレジデントを務めるAlan Brennerは、Java推進グループがまずはじめに、携帯電話用Javaの基盤に見られるばらつきを減らす統一規格を定めることになるだろうと述べた。
Javaで書かれたプログラムは、Mac OS X、Windows、Linuxなど、さまざまなOSの上で同じものが実行できる。複数のコンピュータシステムの異なるクラス向けに、さまざまな種類のJavaがある。
しかし、Javaはそれぞれの分野に対応した、複雑な機能の集合体である。たとえば、携帯電話や車載用コンピュータのようなデバイス向けの、Java 2 Micro Editionと呼ばれる幅広いカテゴリには、USBサポート、Bluetooth、インスタントメッセージやオンライン決済のような機能に関するさまざまなバリエーションがある。
Sunと携帯電話メーカー各社は、Javaプログラムが各メーカーの携帯電話で確実に動作することを保証するために、Java Verifiedプログラムを開始した。ボタン、メッセージの取り扱い、プロセッサの性能、音声や画像の処理能力などは、携帯電話機ごとにさまざまに異なるため、Javaを実行するのはこれまで手間のかかるプロセスだった。
携帯電話メーカーの例に見られるような、規格の分断化に関する懸念が出されたのは、今回が初めてではない。サーバ用Javaに関して、Sunと提携メーカー各社は2002年に類似の検証プログラムを開始している。
携帯電話メーカー各社は、昨年6月に開催されたSunのJavaOneトレードショーで、Java Verifiedプログラムを採用する意志があることを発表していた。
プログラミングに関する問題の緩和に向けた、2つめの主要な取り組みは、Java標準開発のために業界が協力して進めるJCP(Java Community Process)プログラムを通じたものだ。
JCPは、MIDP(Mobile Information Device Platform)のような仕様を提案している。Brennerによれば、最新バージョンのMIDP 2は、最初のバージョンに比べ、より多くの領域を網羅していることから、MIDP 1.0で見られたような各社独自の機能拡張を行う余地はあまりないという。
「MIDP 1.0には機能が少なかったため、自ら足りないものを付け加える人々が大勢いた」とBrennerは述べた。すでにMIDP 2.0を採用している電話機もあるものの、MIDP 2.0が普及し、どの電話機もこれに対応するようになるには、2四半期程度の時間がかかると同氏は付け加えた。
世界最大の携帯電話機メーカーであるNokiaは、数千万台ものJava対応携帯電話を生産しているが、同社でもMIDP 2.0が「分断化の解消に役立つ」と考えていると、同社バイスプレジデントのLee Eptingは語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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