ライバル同士のSun MicrosystemsとIntelは9日(米国時間)、一連の契約を結び、今後数年間にわたって両社のモバイル製品で協力すると発表した。
この契約によりIntelは、携帯電話サービスプロバイダがダウンロード可能着メロやゲームなどのアドオン機能開発に利用している、人気の携帯機器用Javaプログラミング技術の機密情報を得ることができる。Intelはこの情報を利用し、Javaアプリケーションが低電力でより高速に稼動するよう、同社のXScaleプロセッサを調整する。
「XScaleプロセッサシリーズは、携帯機器分野と非常に関連が深い」とSunの上級ディレクターJuan Dewarは言い、NokiaやMotorolaなどのハンドヘルドメーカーは今月中にこの契約の成果を見ることになる、と述べている。
今回の提携は、SunとIntelの関係が友好的になりつつあることの現れかもしれない。両社はサーバー市場では競合同士だ。1990年代には、両社の間で、SunのSolarisオペレーティングシステム(OS)にIntelのItaniumプロセッサを搭載する契約が結ばれたが、無残な決裂に終わっている。しかし、Sunは先月、IntelのXeonプロセッサを搭載したサーバ数種を発売している。
「われわれは、多くの分野で敵同士だ。今までこの(携帯機器)部門で提携したことはない」とIntelの代表は述べた。
ワイヤレス機器用のJavaバージョン、Java 2 Micro Edition(J2ME)は、ダウンロード販売を行なっている電話会社が採用する、プログラミング言語の主流となっている。Palm Solutions Groupも9日、IBMからJava Virtual Machineのライセンス提供を受けたことを発表し、新たにJ2ME採用企業に仲間入りした。
一方、IntelのXScaleは、PalmやDell Computer、Hewlett-Packard、Motorola、Sony Ericsson Mobile Communicationsのハンドヘルドで使用され、普及が進んでいる。
世界中の携帯電話プロバイダーは、今後の事業の方向として、契約ユーザーにソフトのダウンロード販売に期待を寄せている。携帯電話会社は、ソフトのダウンロード販売を、競争激化で減少し続ける音声通話料金収入に変わる収入源にしたい考えだ。
日本のNTTドコモなどアジアの携帯電話会社の一部は、ソフトダウンロード販売で膨大な成功を収めている。しかし1億4000万のワイヤレスユーザーがいる米国では、同様のサービスに対する反応は明らかに芳しくない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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