全米レコード協会(RIAA)は米国時間17日、インターネット上で音楽ファイルを交換した個人531名を著作権侵害で提訴した。
RIAAが1月上旬に起こした訴訟と同様、今回も訴状に容疑者の氏名は記されていない。RIAAはインターネットサービスプロバイダ(ISP)に対し、ファイル交換の容疑を裏付ける証拠と、すでに分かっているISPアカウントを所有する加入者の氏名とを結びつける情報の提供を求める必要があるが、昨年裁判所が下した判決により、その前にまず訴訟を提起しなくてはならない。
しかし、RIAAはこの逆境にもめげず、著作権侵害の証拠を数多く見出してきた。同協会はこれまでにおよそ1500人を提訴してきたが、Apple ComputerのiTunesやその他の合法的なオンライン音楽サービスの成長を守るために、今後も法的措置を継続する必要があると語った。
RIAA のCary Sherman会長は声明の中で、「合法的なオンライン音楽サービスが、違法なダウンロードを基礎とするビジネスとの競合を余儀なくされている今の状況を許すべきではない」と述べ、さらに「だからこそ、我々はPtoPネットワークを介して許可なく音楽ファイルをダウンロードしたり共有したりする行為が違法であるという明確なメッセージを送っているのだ。このような行為は、社会に重大な悪影響を及ぼしかねず、また音楽そのものの創造的未来を台無しにしてしまう」と語った。
RIAAは、法廷闘争のペースを大幅に加速させている。今年に入ってから同協会が起こした訴訟は1000件を超えており、これは2003年の9〜12月の提起件数の2倍以上に相当する。当初、RIAAによる一連の訴訟により、脅威を感じたユーザーが違法なファイル交換を思い留まるという効果が見られたが、今年の1月上旬にその効果が徐々に薄らぎつつある証拠が浮上したことから、同協会は訴訟提起のペース加速に踏み切った。インターネットの動向を監視している市場調査会社、米NPD Groupの当時のレポートによると、KazaaなどのPtoPネットワークを利用した音楽ファイル交換は、2003年初頭に急減したものの、同年11月から再び増加し始めたとという。
だが、NPDが17日に発表した新しいデータによると、2003年12月には音楽交換利用者の数は再び減少に転じたという。同社の調査では、米国居住者間でのファイル交換が、11月と比べて12月には21%減じており、また世帯数でも2%ほど少なくなったという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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