全米レコード協会(RIAA)は30日(米国時間)、ネットワーク経由でファイル交換を行った疑いが持たれる個人80人を相手取り、新たに訴訟を起こしたと発表した。RIAAは今月半ば、訴訟のターゲットとなるユーザーに法的リスクを警告する書簡を送りつけており、今回の動きはそれに続くものだ。
RIAAがこの動きに出たことで、コンピュータユーザーを対象とする訴訟の第2ラウンドが始まった。RIAA側の調査担当者は、これらのユーザーは数百または数千という数の著作権で保護された楽曲を、KazaaのようなPtoPサービスを通じてダウンロードできるようにしたと主張している。第1ラウンドの提訴は9月始めに行われ、261人の個人ユーザーが「はなはだしい」数の楽曲をオンライン上に提供したとして訴えられている。
第1ラウンドの訴訟が起こされたことで、ファイル交換の持つ法的リスクの認知度は劇的に上がった。しかし同時に多くの批判も沸き起こり、連邦議員や消費者グループは、RIAAが個人の人権を侵害したり、間違ったユーザーを訴えていると主張した。こうした批判に対して、RIAAは提訴前に訴訟のターゲットとなり得るユーザーに対して告知を行うことに合意していた。
RIAAはその後、10月中旬になって、警告の書簡を204人のユーザーに送付した。書簡には、告知を受けたユーザーは、訴訟のターゲットとなる可能性がある人物として特定されていると記されていた。そして、RIAAは30日、告知を受けとったユーザーのうち124人が、訴訟となる前に和解へ向けた努力をすることにしたと発表した。
RIAAのプレジデントCary Shermanは、声明の中で、「違法ファイル交換者に、事実を述べ和解の道を探るチャンスをもう一度与えようという我々の努力が実りつつあることは、喜ばしいことだ」と述べた。「告知の書簡を受けとったユーザーの圧倒的多数が我々に連絡をとり、問題解決を熱望していた。このことは、音楽業界による教育及び法執行キャンペーンが、我々の意図を伝えていることを明確に物語っている」(Sherman)
RIAAによる、一般コンピュータユーザーを対象とした訴訟が、論争の的となっているだけでなく、ファイル交換の世界に衝撃を与えていることを示す証拠がいくつかある。米Nielsen/NetRatingsによると、米国におけるKazaaソフトウェアの週単位での利用者数は激減しており、6月初旬には700万人という高水準にあったものが、10月末には320万人になったという。
「Kazaaの利用は急速に減少しつつあり、RIAAが訴訟の発表を行い、個人ユーザーの追及を始めてから回復していない」と、Nielsen/NetRatingsの広報担当者Max Heinimanは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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