RIAA(全米レコード協会)は米国時間21日、これまでで最大となるファイル交換訴訟に乗り出し、今のところ名前の伏せられている532人の個人を著作権侵害で新たに提訴した。
今回の訴訟は、RIAAにとって、訴訟提起前にISPに召喚状を送付して被告となるファイル交換サービス利用者を特定するという、当初の戦略を控訴裁判所に阻止された12月以来、初めてのもの。その結果、21日に提起された訴訟は、数百人の不特定もしくは「仮名」のコンピュータユーザーを対象としており、数週間は要すると見られる裁判手続きが完了した後に、初めて身元を明らかにしていくことになる。
RIAA会長のCary Shermanは訴訟を発表する記者会見の席上、「被告を特定するための手続きには変更があったが、計画自体に変更はない。何百万人もの赤の他人に音楽を配付する者は提訴可能であり、またそうしていくという、我々のメッセージは従来どおり明確だ」としている。
今回の動きに至るまで、召喚状問題に対する控訴裁判所の判決といった、裁判に不利な状況が続いたり、ファイル交換訴訟の影響が徐々に弱まる徴候が見えるなど、RIAAの周辺は数カ月にわたって騒がしかった。
Pew Internet & American Life Projectが12月に実施した調査では、ファイル交換ネットワークから音楽をダウンロードしたと答えたアメリカ人はわずか14%だけだったことが分かっている。2003年の5月に実施した同様の調査では29%という結果が出ていた。
対照的に、インターネット調査会社のThe NPD Groupが先週公表したレポートでは、音楽ファイルの交換は昨年前半に大幅に減少したが、11月には9月と比べて14%増加したとの調査結果が出ている。同社は、この結果について、裁判の大きなニュースがなかったことに加え、季節的にリリースされたタイトル数が多かったことなどによるものだとしているが、利用者が増加に転じた具体的な理由を正確に指摘することはできなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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