欧州18カ国が参加するプロジェクトの一環として、ドイツ・フランクフルト空港で2月14日(現地時間)、虹彩読み取りシステムの試験運用が始まった。
この試験運用プロジェクトに参加する企業各社が13日に明らかにしたところによると、このシステムでは航空旅客者はカメラ付き認証端末の前に立つことを求められ、端末が自動的に旅客者の虹彩パターンを捕らえた後、虹彩スキャンシステムは旅客者の虹彩を認証し、スキャナーで捕らえたパスポートデータ情報と照合するという。同空港にはすでに7台の虹彩スキャンシステムが設置されており、この試験運用がうまくいけば、これまでの入国管理認証システムシステムは虹彩スキャンシステムに置き換えられることになる。
初めにこの試験運用に参加するのは、Lufthansaを利用してフランクフルト航空に降り立つEU(欧州連合)各国およびスイスの居住者となる。同プロジェクトの実装に関わったByometric Systemsと沖電気工業によると、6カ月間の試験運用後、全面的なサービスを開始する予定だという。
2001年9月11日、米国でテロリストによる攻撃が発生して以来、航空会社やハイテク企業はいくつかのセキュリティ実験に着手して、世間の注目を集めている。多くのプロジェクトはその後実稼働に入ったり、カード読み取り機やバイオメトリクス端末など2次的セキュリティチェック機の研究に入っているが、人権擁護活動家やプライバシー擁護者は、そのような実験を人権侵害だと非難している。
ドイツの内務大臣であるOtto Schilyは、「登録されたバイオメトリクス的特徴は、絶対に正確に照合されると保証されるものでなければならない。そして虹彩認証は現在、最も安全なバイオメトリクスシステムと考えられている」と声明のなかで述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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