米Walt Disney傘下のABC.comが、PCユーザーのデスクトップにテレビ番組を毎日配信する、新しいインターネットアプリケーションのテストを始めようとしている。系列サイトESPN.comでの成功例に追従する動きである。
ABC.comのコンテンツ担当副社長、Harry Linによると、同社のWebサイトは、「NYPD Blue」をはじめとする同TVネットワークの人気番組を宣伝する場となっているが、米国時間の来週火曜日16日に、同サイトから1万人のユーザーがテレビ視聴アプリケーションをダウンロードできるようになるという。
ABC.comの親会社であるWalt Disney Internet Groupが、ESPN向けに開発した技術を反映させたこのアプリケーションは、毎日数回にわたってテスト参加者のコンピュータに、番組の予告編やメイキングビデオなどを流す。すべて順調に進めば、ABC.comは同アプリケーションを7月に無償で一般公開する考えだとLin氏は言う。
「視聴者にとにかくたくさん見てもらいたい。昔のテレビと同じように、多くの視聴者を魅了し、そこを狙って広告を展開したい」(Lin氏)
いままでのところ、ESPNではこのやり方が素晴らしい成果を挙げている。同スポーツ専門チャネルでは、この2月に、スポーツのハイライト場面や実況の録画を、コマーシャルと一緒に視聴させるソフトウェア「ESPN Motion」を投入、無償でのダウンロード配布を開始した。ESPNの広報担当者Ashley Swadellの話では、既に160万人の視聴者が、このアプリケーションをインストールしており、その約半数は毎日番組を見ているという。
ESPNの視聴用ソフトが大成功を収めたことで、同局ではスポンサーに"TV upfront"として知られる番組のコマーシャル枠を定期的に販売し始めた。スポーツ飲料のGatoradeや高級車Lexusといったブランドが契約を結んでおり、ESPNではWebコマーシャルの視聴者1000人あたり最大25ドルを請求する。
ABC.comのこの動きは、インターネットでのエンターテイメントやニュースサイトの間で拡大するトレンドを示している。「Entertainment Tonight」の公式ホームページやBusinessweek.comなどの各サイトでも、アクセスしたユーザーにコンテンツを新しい形で提供するためのデスクトップソフトウェアを既に投入し、サイトや番組の熱心なファンを作りだそうとしている。別の例では、Forbes.comも12日木曜日(米国時間)に、パーソナライズされたニュースをメンバーに無償配信する「Executive Connection」というソフトウェアの提供を開始した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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