米AOL Time Warnerが通話サービスに参入する。同社傘下の米Time Warner Cableが、1カ月あたり40ドルで、市内、州内、および米国内長距離通話が使い放題となる「Digital Phone」を提供する。ただし、最初はメーン州ポートランド地区での限定提供だ。
米Comcastや米Cablevision Systemsなどのケーブルプロバイダもすでに同様のサービスを展開している。RBOC(Regional Bell Operating Companies)と呼ばれる地域電話会社が死守してきた最後の砦ともいえる市内電話も、競争の渦に巻き込まれることとなる。
米Kaufman Brosのアナリスト、Mark Mayは「RBOCにとって、AOL Time Warnerの通話サービス参入は脅威の1つだろう」と語る。「ケーブル会社はこれから市内通話に力を注いでくる。しかもRBOCと比べて格安の料金で通話サービスを提供している」(May)
米In-Stat/MDRのアナリストのNorm Bogenによると「2001年以降、市内電話の回線数は減少の一途を辿っている」という。Bogenはその最大の理由として「固定電話から携帯電話に切り替える人が増えたこと」を挙げる。さらに「回線を追加する際に、通常の電話回線ではなくIP電話を選択する人が多い」ことも付け加えている。
米国ではブロードバンド接続を行っている家庭の半数以上がケーブルTV会社とプロバイダ契約をしており、その他の家庭は電話会社のDSL回線を利用している。両者とも、サービスの抱き合わせによる大幅な割引料金で、顧客の勧誘と引き留めを図っている。ケーブルTV会社ではテレビとブロードバンド接続を、電話会社では電話回線とブロードバンド接続を組み合わせたサービスを契約した加入者に、割引料金を適用している。
市内通話の価格競争が本格化の兆しをみせたことで、長距離通話の分野で20年前に起こったのと同様の業界再編の嵐が、地域電話会社の間にも巻き起こる可能性が高い。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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