ミネソタ州の連邦判事は米国時間16日、先頃自らの下した裁定に関する詳細を明らかにした。インターネット電話会社は、従来の電話会社と同じ規制に縛られる必要はないというこの裁定は、今後大きな影響を与えるものと見られている。
先週、ミネソタ地裁のMichael J. Davis判事は、ミネソタ州の業務監督機関に対し、VoIP(Voice over Internet Protocol)プロバイダのVonageに、電話事業者免許の取得を強制することはできない、との判断を下した。
22ページに及ぶ裁定書のなかで、Davis判事は、Vonageや他のVoIPプロバイダが「情報サービス」を提供していると説明。この「情報サービス」という言葉は、インターネットアクセスを販売する会社を指す言葉としてすでに定着しており、VoIP企業とアクセスプロバイダを同一に考えることは適切であるが、それはVoIPコールが電話会社の所有する専用ネットワークではなく、インターネットを経由するからだと記している。米議会は、将来の発展の可能性を限定しないために、情報サービスプロバイダを規制してはならないという指令をすでに出している。
「州による規制は、インターネットが規制に縛られてはならないという議会の指令を、事実上無効にすることになる。議会が、この問題についてさらに明確にするまで、ミネソタ州は情報サービスプロバイダを、電気通信事業者であるかのように扱ってはならない」と、同判事は記している。
Davis判事の裁定は、多方面に影響を及ぼす可能性がある。同判定は、「ミネソタモデル」の導入を現在考慮している複数の州が、将来このような規制を実施した場合、それを無効にするために使われる可能性がある。また、国家レベルの決定を求める同判事の呼びかけは、連邦通信委員会が行動を起すきっかけになるかもしれない。
少なくともカリフォルニア州は、VoIPプロバイダに事業者免許を取得するよう、引き続き働きかけていくと述べた。同州の公益事業委員会関係者から、コメントをもらうことはできなかった。
Davis判事の裁定は、第9巡回裁判所が最近下した決定にも抵触している。ミネソタ州はこの決定を上訴の根拠として利用するかもしれない。第9巡回裁判所は、ケーブルブロードバンドネットワークは「電気通信サービス」ではなく「情報サービス」であると定めた、2002年3月のFCCの判断を間違いであるとした。電気通信サービス事業者なら、第三者の事業者に対してブロードバンド回線を開放するよう政府が強制できるが、情報サービス事業者は、外部者への回線再販を強制する規制の対象になってはいないため、この区別は重要である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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