カリフォルニア州当局は30日(米国時間)、インターネット電話サービスを提供する通信業者に対し、電話事業者免許申請の義務付けを開始したと発表した。
同州は、VoIP(Voice over IP)を提供する通信業者に対し、他の全ての電話会社に適用しているものと同じ規則および規制の適用を決めた米国最大の州だ。ちなみに、ウィスコンシン州とミネソタ州も先頃同様の決定を下している。
これに対し、VoIPプロバイダ側では、州規則は従来の電話網上で行われた通話にのみ摘要され、インターネットを利用するVoIP通話は対象外とされるべきであると主張している。
しかし、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)の電気通信部門のディレクター、John Leutzaは、そのような区別は的外れになりつつあると指摘する。同氏は30日に行われたインタビューの中で、「(VoIPプロバイダが)ほとんど全ての面で電話会社に似ているのは確かなこと」と述べ、さらに「これはカリフォルニア州の方針であり、今後もこの政策を進めていくだろう」と語った。
面積が広く、国内の影響力も強いカリフォルニア州が、VoIPプロバイダに対して規制の網をかけると決断したことにより、現在同様の施策を検討している他の数十州に、非常に大きな影響を与える可能性がある。今回のカリフォルニア州の要求の対象となるVoIPプロバイダのうち、Vonageなど数社にコメントを求めたが、即答は得られなかった。
今回の決定は、米国の電話事業の規制当局者たちにとって、まさに180度の発想の転換だ。かつて州/連邦政府関係者たちは、インターネット電話サービスプロバイダが、通常の電話事業に関する規則の枠外で事業を行うことに満足していた。新興企業にとって、インターネット上で電話をかけるという、ほとんど知られていないが将来有望な新技術を売りこむ作業は、大変な負担だった。そのため、それらの企業には余計なコストや技術的問題を伴う規制は不用だった。
しかし、米国内でIP電話サービスへの総加入者数が250万人に迫り、また国内の全通話の1割をVoIP通話が占めるに至った今、より多くの州および米連邦通信委員会(FCC)は、VoIPプロバイダに規制の網をかけ、それを監視下に置く方法を模索し始めている。市場調査会社In-Stat/MDRは、2007年までにVoIP電話機の普及台数は700万台を超えると予測している。
Leutzaによると、カリフォルニア州はVonage、VoicePulse、SBC Communications、Net2Phone、Packet8のVoIPプロバイダ各社に対し、一般の電話会社が同州で事業を行う際に必要とされる免許と同じ免許の申請を行うよう要請した。「(VoIPプロバイダが10月22日の締め切りまでに申請を行わない場合は)罰則を摘要する可能性もあるが、罰則の具体的な内容はまだ決まっていない」とLeutzaは語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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