オラクル、ピープルソフト株主へ「最後」の買収提示金額引き上げ

Matt Hines(CNET News.com)2004年02月05日 17時46分

 Oracleは米国時間2月4日、エンタープライズソフトウェアメーカーのPeopleSoftに対する買収金額を、1株当たり26ドルに引き上げることを明らかにした。これにより、PeopleSoftに対する敵対的買収の提示総額は、94億ドルとなった。

 OracleがPeopleSoftへの買収提示金額を上げるのは、今回で2度目。PeopleSoftは、ERPとCRMアプリケーションを提供するベンダーで、Oracleが初めに同社に買収提案を持ちかけたのは2003年6月のことだ。この際の提示金額は1株当たり16ドルだったが、Oracleはその2週間後にこれを19.5ドルに吊り上げた。4日の提示は、PeopleSoft株の3日の終値21.89ドルに、19%近いプレミアムを上乗せした金額となる。

 Oracleは、この提示金額の引き上げについて、同社としては最後の提示となると述べている。Oracle会長のJeff Henleyは、声明のなかで、PropleSoftの株主に向けて、この買収提案を真剣に検討するよう促している。「これがわれわれの最終的な提示金額だ」(Henley)

 「PeopleSoftが最近行った第1四半期収益の下方修正など、同社の現在の見通しを考慮すると、われわれの提示金額はPeopleSoftの株主にとって魅力的なものだと信じている」とHenley。「Oracleは引き続き、両社の株主にメリットがある条件で、この取引を完了させることにコミットしている」(Henley)

 これに対しPeopleSoft側は、Oracleの買収提示金額引き上げを検討するとだけコメントした。

 PeopleSoftの広報担当、Steve Swaseyは、次のように述べている。「PeopleSoftの役員会は、受託者義務に果たすために、Oracleの1株当たり26ドルという改定価格での株式公開買い付けについて検討の場を持ち、その後PeopleSoftの株主に提言を行う予定だ」。

 Oracleはこれ以外にも、この買収提案に関して、米司法省からの独占禁止法に照らした承認を得なければならない。米司法省の判定は3月12日までに出される予定だ。新しい買収提示の一部として、OracleはPeopleSoft株式公開買い付け期限を3月12日に再度延長した。それ以前にOracleが設定していた期限は2月13日だった。

 PeopleSoftの乗っ取りは業務ソフトウェア市場にとってマイナスになるとの批判を受けたこともあるOracleの最高経営責任者(CEO)、Larry Ellisonは、引き続き両社の株主に対して2社の合併に賛成するよう訴えている。

 「我々は、この買収が競争を促進し、両社の顧客に利益をもたらすものだと考えている。Oracleはさらに収益性の高い企業になるだろう」と同氏は声明のなかで述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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