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インテル、64ビット戦略を変更--新「CT」チップでOpteronに対抗

Stephen Shankland(CNET News.com)2004年01月30日 12時07分
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 Intelが、64ビット版のXeonとPentiumを2月半ばに公開する計画を進めている。ライバルのAdvanced Micro Devices(AMD)の戦略を裏書きするこの動きは、同時に自社のItaniumチップにとっては悩ましい展開となる。

 この計画に詳しい情報筋によると、このデモは、2月17日から19日までサンフランシスコで開催されるIntel Developer Forum Conferenceで行われる見込みだという。Intelは今までこの技術の開発コード名をYamhillとしてきたが、今後はCTと呼ぶと、この情報筋は述べている。

 IntelのXeonやPentiumなどの「x86」チップに64ビット機能が追加されれば、現在の上限である4GBを越えるメモリが扱えるようになる。その一方で、Intelの現行64ビットチップ、Itaniumが大量出荷される望みが薄れるだろう。CTのデモンストレーションは、Itaniumの購入を検討している顧客に対して、その購入を保留すべきだというメッセージを送ることになる、とMicroprocessor Report主任編集者のPeter Glaskowskyは話している。

 「Intelが、Itanium開発に注ぎ込んだすべての労力を64ビット版Xeonに注ぎ込むなら、非常に興味深いものになるだろう。XeonとItaniumが、処理能力の点であまり変わらなくなることもあり得る」とGlaskowskyは言う。だが、その代償も支払うことになる。「Intelがx86-64に本当に真剣だとすると、長期的には・・・Itaniumを潰すことになる」

 そうなれば、Itaniumの成功に自社の名声を賭けているIntelは大きな痛手を受けるだろう。だが、Intelよりさらに困るのは、Hewlett-Packard(HP)やSilicon Graphicsなど、将来のサーバ設計にItaniumを採用しようと考えているパートナー企業のほうだ。  

 Intelの広報担当、Bill Kircosは、「顧客の要望があり、また(64ビット用の)インフラが整えば、我々はチップを拡張するだろう。この場合のインフラとは、オペレーティングシステム(OS)や開発ツール、ソフトウェア、アプリケーションなどのことだ」と述べるに留まり、CTという名前や計画については、それ以上のコメントを避けた。

 またKircosは、Itaniumは「すでに難所を乗り切り」、ハイエンドサーバ市場で一般的に受け入れられるようになったと主張している。「Itaniumを購入する企業の最高情報責任者(CIO)は非常に保守的で、一夜にしてコンピューティング環境をすっかり変えてしまうような真似はしない。そして、これは短距離競走ではなく、マラソンだ」(Kircos)

 CTという名前は、Intelがチップに組み込む機能の命名パターンに従って付けられたもの。すでにリリースされているハイパースレディング技術の呼び名は「HT」で、また1基のチップ上で複数のオペレーティングシステムを走らせるVanderpool技術は「VT」、そしてセキュリティ技術のLaGrandeは「LT」と名付けられている。

 AMDのOpteronも追い上げてきている。2003年第3四半期は、4月に登場したばかりのOpteronにとってはまだ第2期めだが、市場調査会社のIDCによると、同期に1万746台のOpteron搭載サーバが販売されたという。この数字は、Itanium搭載システムの販売台数4957台の2倍以上にもなる。しかし、OpteronおよびItaniumとも、出荷台数の多さでは、IntelのXeonサーバ(118万台)や、あるいはPentiumもしくはAMDのAthlonに遠く及ばない。

 IBM、Sun Microsystemsといった業界大手がOpteron搭載サーバの取扱いを表明しており、また情報筋の話では、Hewlett-Packard(HP)でも間もなく同様の計画を発表するという。

 Itaniumは一時期、Pentiumと同様に幅広く普及すると見られていたが、同チップについての売上予測はここ数年で何度も引き下げられている。IDCは2000年、Itanium搭載サーバの売上が、2004年には280億ドルに達するとの予想を出していた。ところが、同社は2週間前に発表した予測のなかで、2007年の売上を75億ドルに引き下げている。

 Itaniumは、x86用に書かれたソフトウェアを非常に低速でしか稼働できない。だがIntelでは、IA-32 Execution Layerというソフトウェアエミュレーション技術の登場で、x86ソフトの処理性能も改善していると述べている。これと対照的に、現在AMD64と呼ばれているAMDのx86-64アプローチでは、PentiumやXeon用の既存のソフトの大部分を動かすことが可能だ。

 しかしながら、IntelがCTのデモを行ったとしても、同技術が主流の用途にいますぐ使える状態にあるというわけではない。

 アナリストらは、ハイパースレディング、Vanderpool、LaGrandeの場合と同様、IntelはCTの技術をすでにチップに組み込んでいるが、必要なソフトウェア側でのサポートが追いつくまで待って、これを使えるようにするものと考えている。Insight64のNathan Brookwood、ならびにGlaskowskyの両アナリストとも、まもなく登場するPentium 4 「Prescott」チップにはCTが組み込まれていると考えている。

 このことから、PrescottのXeon版にあたる、デュアルプロセッサシステム用の「Nocona」ならびに、4基もしくはそれ以上のチップを搭載するシステム用の「Potomac」にも、このCTが組み込まれていると考えられる。

 しかしBrookwoodは、IntelがPrescottの後継モデルにあたる、2005年前半登場予定の「Tejas」まで待って、CTを使えるようにすると考えている。この理由について、同氏はIntelがAMDのアプローチを知る以前にPrescottの設計を完了しており、AMD向けに調整されたソフトウェアがIntelチップでは動かないといったことが起こりえるからだ、としている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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