マイクロソフト、SQL Server 2000 Reporting Services発表へ--BI製品を強化

Martin LaMonica(CNET News.com)2004年01月27日 19時27分

 Microsoftが、SQL Serverデータベース向けのレポート作成アプリケーションを公開し、同社のビジネスインテリジェンス(BI)ソフトウェアのポートフォリオを強化する。

 Microsoftは27日(米国時間)、待望の新製品SQL Server 2000 Reporting Servicesを発表し、BIをさらに利用しやすいものにするという同社のビジョンについて説明を行うと見られている。レポート作成アプリケーションは、BI製品のサブセットで、1日の売上記録など過去の情報を要約したレポートの作成や、レポート配信の予定作りを行う。

 今回の新製品の発表で、MicrosoftはActuate、Business Objects、Cognosなど、多くの既存企業がひしめくレポート作成分野に参入する。Microsoft以外の企業のレポート作成ソフトも、MicrosoftのSQL Serverデータベースと密接に連携する必要があるが、Reporting Servicesはこうした企業--とりわけ同社の(SQL Serverを利用する)既存顧客でもある企業にとって脅威となる可能性がある。

 レポート作成ソフトのメーカーは、通常ソフトの使用料を請求するが、MicrosoftはSQL Server 2000のライセンスを保有する顧客企業に対して、Reporting Servicesを同ソフトのアドオンとして無償で提供する。

 化粧品メーカーのMary Kayはこのライセンス契約を見て、すぐさまMicrosoftのReporting Servicesの導入を決断した。Mary Kayの情報サービス/サプライチェーンシステム技術担当ディレクターDoug Vossによると、同社はCrystal Decisions(現在はBusiness Objectsが所有)とのライセンス契約を拡大するか、あるいは独自のレポート作成アプリケーションを開発するかについて、検討を進めていたという。

 「もしCrystalの製品を購入していたら、おそらく10万ドル以上の出費になっていたはずで、それだけの金額を正当化するには相当の理由が必要だっただろう。(Microsoftの)ライセンス契約は、他の製品に対するアドバンテージがある」(Voss)

 機能面でも、SQL Server Reporting Servicesは、Mary Kayの、取引システムからの定期レポートを作成するアプリケーションとして十分な機能性を備えている。Mary Kayは、自社の開発者にMicrosoftのツールを使ったレポートの作成方法を迅速に習得させ、既存のプロジェクトを停滞させないための試験的プロジェクトを実施した。

 MicrosoftはBI市場におけるシェア拡大を計画しており、Reporting Servicesはこの計画実現のための重要な一部となっている。BI市場は、低迷するソフト業界全体の中で、過去3年間に成長した数少ない市場の1つだ。

 Microsoftはすでに、詳細なデータ分析を行うためのオンライン分析処理サーバを発売している。同社は、2004年末に発売予定のSQL Serverの次期版で、データ移動/再フォーマット用の多くのツールや、ETL(extraction, transformation and loading:抽出・変換・挿入)と呼ばれる一連の機能の拡張を図る計画だ。

 レポート作成サービスはまた、Yukonと呼ばれるSQL Serviceの次期バージョンの一部になる予定だと同社は語った。

 レポート作成サービスは、Excel、Adobe PDFs、画像、ウェブページ、そしてXML形式のデータなど、さまざまなファイル形式でレポートを作成できると、SQL Server製品管理担当のディレクターThomas Rizzoは述べている。XML形式でデータを配信することで、同機能は他のアプリケーションとも直接データを共有できるという。

 このサービスには、レポート作成用サーバの全体的な処理性能改善のためのキャッシュ機能が含まれる。開発者は、Microsoftの開発用ツール、Visual Studio.Netへのアドオンを利用して、レポートを作成する。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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