コンピュータ・アソシエイツ(CA)は27日、バックアップ/リカバリソフトウェアの最新版となるBrightStor ARCserve Backup R11 for Windowsを発表した。CAでは同製品を戦略上重要なものと位置付けており、今回の発表も、英語、日本語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、簡体字中国語の合計7言語版での同時リリースとなった。
CAでは、2004年をマネジメントソフトウェア普及の年としているが、ARCserve R11 for Windowsはその中でもストレージマネジメント分野の核となる商品だという。また同社は、米国本社内に日本市場向けローカライゼーション組織を編成するなど、日本語製品の強化にあたっているが、同製品はこの強化体制で生まれた第1弾のものだという。CA代表取締役社長の三ッ森隆司氏は、「わが社は国内のWindows環境におけるバックアップ用パッケージソフトウェア市場で7割のシェアを握っている。日本市場の品質に対する厳しい目や、顧客およびパートナーの声をうまく反映し、マーケットリーダーにふさわしい製品を提供すべく取り組んできた。この市場の課題として、バックアップの効率化、データ量増加への対応、データセキュリティの強化などがあったが、今回の製品はこれらに対応したものだ」と述べる。
CA代表取締役社長、三ッ森隆司氏 | |
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同製品の前バージョンであるVersion 9でCAは、Windows .NET Server(Windows Server 2003)のベータ段階から製品への取り組みを開始し、業界で初めてWindows Server 2003のフルサポートを表明するなど、マイクロソフト製品との親和性を強調してきた。新バージョンでもマイクロソフト技術とのさらなる親和性をアピールしており、Exchange Server 2003への対応強化として個別メールのバックアップが可能となったことや、Volume Shadow Copyサービスに対応したアプリケーションをサポートした点などを強調している。
ほかにもARCserve R11 for Windowsでは、初心者にも操作方法がわかるようなチュートリアル機能の強化や、CAのeTrustセキュリティ技術の活用でアンチウイルス機能を標準搭載していること、NAS・SAN・DASといったあらゆるストレージ環境のサポート、従来ハイエンド向けであったバックアップパフォーマンス向上のためのマルチプレキシング機能をミッドレンジサーバクラスで実現したことなどの特徴があるという。
CAのBrightStorブランドユニット・オーナー関信彦氏は、ストレージマネジメントの進化について、データの容量管理、データの保護、統合化、自動化、収束集中化の順で進むとしているが、「現段階ではデータの保護レベルしか実現していない。だがビジネスで要求されるのは自動化レベル。このギャップを埋める製品を持っているのがBrightStorブランドだ」という。同社では、ARCserve Backupのほかに、クライアントレベルのバックアップを担うMobile Backup、ハイエンド向けのEnterprise Backup、データ管理のためのStorage Resource Managerなど多くの製品を抱えているが、「それぞれのソリューションを連携させ、自動化させる取り組みに軸足を置いて製品開発を行いたい」と関氏は説明する。
ARCserve R11 for Windowsの初年度の売上目標は100億円。すでに高いシェアを握っているため大きな売上の伸びは期待していないというが、三ッ森氏は「CAがこれからリリースしていく他のマネジメントソフトウェアにも、成功を収めたストレージマネジメント分野での方法を反映していきたい」としており、全体としての売上の伸びを期待しているようだ。
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