米Computer Associates International(CA)は米国時間8日、同社初のWebサービス管理製品を発売するとともに、これに関連した多数の提携を発表した。
ニューヨーク州アイランディアに本社を置くCAは、同社が今年の夏に行った新興企業のAdjoin買収から生まれた副産物、Unicenter Web Services Distributed Managementを出荷する。CAは今回の発表の中で、他社のソフトウェアをCAのWebサービス管理ツールと組み合わせるための提携もいくつか明らかにした。
Unicenter Web Services Distributed Managementは、Webサービスアプリケーションがあらかじめ決められたパフォーマンスの閾(しきい)値を満たしているかどうかを監視追跡するための手段を、ネットワークのオペレータに提供するよう設計されている。従来のシステム管理製品同様、CAのこのWebサービスに特化したツールも、アプリケーションのパフォーマンス情報を集計し、問題があれば警告を出してオペレータに知らせる。
これまで、Webサービス管理は規模の小さな専門業者が得意とする分野だった。CAは、従来のシステム管理業界で実績のある大企業として、この市場に参入する。さらに、米HPも市場参入を急ぐべく、今年初めにTalking BlocksというWebサービス管理ツールを開発する新興企業を買収している。
米New Rowley Groupのアナリスト、Tom Rhinelanderは、「大手ベンダー各社では、自社の既存製品が(Webサービス管理に)自然に進化してくれることを期待している。管理ツールは既存のものでも新しいものでも構わない。しかし、システム上で何が起こっているかを把握し、原因を突き止めるための管理コンソールが必要だ」と述べている。
CAでは、アプリケーションサーバのコード内にあるソフトウェアの「オブザーバ」、もしくは埋め込まれたコードが、異なるWebサービスアプリケーション間で送受信されるメッセージを監視し、タスクの完了時間や通信障害発生の有無を検知できるシステムを採用している。このパフォーマンスデータは、Unicenterの既存のシステム監視製品をはじめとする各種システム管理ツールに読み込むことができる。
CAのWebサービス業務開発ディレクター、Marc Cammによると、サーバやストレージデバイスといったハードウェア、あるいはサーバソフトウェアのパフォーマンスをトラッキングする既存のシステム管理製品との密接な連携は、Webサービス管理製品を選択する際の絶対条件だという。
「Webサービスのレイヤを管理することも重要だが、包括的な管理を実現するための技術の組み合わせも必要だ。全体像の把握が望まれている」(Camm)
CAはまた、いくつかの企業と提携し、この新製品の採用を助け、諸機能を補足しようとしている。この提携の目標は、監視情報をサードパーティのツールと共有し、アプリケーションの稼働中や開発工程の間に、パフォーマンスの問題が生じた場合に、これを検知するものだと、Cammは説明している。
この製品をサポートする契約を交わしたのは、米Microsoft、米BEA Systems、米Sun Mycrosystems、オープンソースのアプリケーションサーバを開発する米JBoss Group、ビジネスプロセス統合ソフトを販売する米Collaxa、ネットワークトラフィック管理ソフトの米DataPower、そして開発ツールメーカーの米Systinetの各社である。
CAでは、来年前半に策定が完了する予定のWebサービスの標準仕様、Web Services Distributed Management (WSDM)をサポートする意向だ。この標準に準拠するよう開発された製品では、独自にコードを書いたり設定を行わなくても、モニタリング情報やパフォーマンス情報を共有できるようになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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