米Dellが、自社のギガビットイーサネット対応スイッチのうち、ローエンドの製品にこれ以下は有り得ないという安値を付け、ライバル各社に圧力を加えてきた。
だが、驚くべき安値が付いた同社のこのスイッチが、果たしてライバル各社の追い落としに役立つのだろうか?
「確かに、Dellはローエンドで大手ベンダーの顧客を多少は奪っている。しかし、この市場では、同社はまだ先行企業を脅かすほどの存在にはなっていない」と、米Current Analysisの主任アナリスト、Joel Conoverは述べている。
Dellは米国時間7日に、PowerConnect 2600という非マネージ型のイーサネットスイッチの新製品を発表したが、このスイッチは1ポートあたり最低22ドルでギガビットイーサネットを提供するものだ。同社はまた、マネージ型製品のPowerConnect 5224の値下げも発表し、同製品は1ポートあたりのコストが79ドル以下となった。
この価格は、ギガビットイーサネットスイッチ製品の業界平均と比べて、非常に安い。調査会社米Yankee Groupの試算によると、2003年の第3四半期には、マネージ型と非マネージ型のギガビットイーサネットポートの平均価格はおよそ175ドルだった。
米Cisco Systems、米Extreme Networks、そして米Foundry Networksなどの各社は、価格がこれらの平均の上限に位置する製品を販売している。しかし専門家によると、Dellのスイッチはギガビットイーサネットの草分けであるこれらのベンダーとはクラスが違うという。
Yankee Groupのアナリスト、Zeus Kerravalaは、「基本的なコネクティビティと低価格でスイッチを探しているなら、Dellの製品が適しているかもしれない。しかし、現在ギガビットイーサネットを運用している大半の企業は、VoIPなど他のことが念頭にあるのが普通なので、彼らにはCisco、Extreme、あるいはFoundryといったベンダーの、もっと洗練されたインテリジェントな製品が必要になる」と述べている。
Dellがライバル製品の価格を下回る価格設定を行うのは、今回が初めてではない。同社は2003年3月にもポートあたり100ドル以下の製品を発売している。
一般に、Dellのイーサネットスイッチ関連製品は、中小企業、教育機関、そしてリモートオフィスを構える顧客が中心のローエンド市場に向けたものだ。この市場には、米3Comや米Hewlett-Packard(HP)といった競合他社も参入している。
だが、アナリストによると、ギガビットイーサネットがコモディティ化するのはまだかなり先のことだという。
「技術の成熟に伴い、価格も下がり続けるだろう。これは自然なことだが、しかし顧客の関心は価格だけではない。彼らは自社のネットワークにQoSやインテリジェンスを組み込みたいと考えている」(Kerravala)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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